お役立ち情報

10年で回収も可能!土地付き太陽光発電の投資を最短回収する方法を解説

仕組み・基礎知識
2148_01

「自宅の屋根のような小規模でなく、もっと規模の大きな太陽光発電システムに投資したい」
そんな方におすすめなのが、土地付き太陽光発電所を購入して運営するという方法です。

土地と太陽光発電所をセットで購入できますから、自分で余った土地を持たない方でもある程度の資金があれば購入して運営が可能です。

今回は、土地付き太陽光発電所に投資した場合に初期費用をどれぐらいの期間で回収できるのか、また最短回収する方法を分かりやすく解説いたします。

費用は1,000万円前後!土地付き太陽光発電とは土地と太陽光発電システムがセットになったもの

土地付き太陽光発電とは、土地と太陽光発電システムが設置されているものをセットで購入する方式のことです。「分譲太陽光発電所」とも呼ばれます。
土地付き太陽光発電所の一般的な投資容量とされる49kW前後の規模なら、購入費用は1,000万円前後をみておきましょう。

また、土地付き太陽光発電には「補償」や「メンテナンス」を含めて販売しているものあり、運営を業者に任せることもできます。そのため、初期費用やメンテナンス費用を減らすことができれば投資回収期間も短くできます。
補償やメンテナンスが付いているかは、土地付き太陽光発電を購入するうえでひとつの指針といえます。

土地付き分譲太陽光発電の投資回収期間は約10年

土地付き太陽光発電で投資を回収する期間を大まかに算出すると、約10年といえます。これは下記の考え方に基づいて、おおよその期間を算出したものです。
大まかな投資回収期間がわかるので、参考にしてみてください。

まず、太陽光発電における年間の発電量は1kWあたり年間1,100kWhと設定します。
土地付き太陽光発電所の規模は50kW未満の低圧の発電所を想定して49kWの規模とし、年間1,100kWhの発電量をかけると年間の発電量が計算できます。

一般的な49kWの太陽光発電所の年間発電量
1,100kWh(1kWあたりの年間発電量)×49kW=53,900kWh(年間発電量)

この年間発電量に2018年の電力の買取価格18円をかけると年間の売電収入額が予想できます。

49kWの太陽光発電所の年間売電収入額
53,900kWh(年間発電量)×18円(売電価格)=970,200円(年間売電収入額)

49kWの太陽光発電所を購入した場合の初期費用が約1,000万円と考えると、だいたい10年ちょっとで初期費用を回収できる計算です。

上記の年間売電収入額を用いて、固定価格買取制度が適用される20年間の電気買取価格を計算すると、

49Kwの太陽光発電所の20年間の売電収入額
970,200円(年間売電収入額)×20(年)=19404,000円

となり、20年間で1,940万円の利益が生まれることになります。
実際には過積載などで発電量を増やすことにより売電収入を大きくすることも可能ですから、その場合にはもっと短い期間で回収が可能。20年間の固定買取制度期間中に、2,000万円近い利益も見込めます。

しかし、反対に悪天候や災害により売電収入が下がった場合、回収期間はもっと長くなるので注意が必要です。

物件購入価格に加えて初期費用やランニングコストを含めると正確な回収期間がみえてくる

次は、より正確な投資回収期間を求めるために、詳細な情報を盛り込んだ投資回収期間の計算方法をみていきます。
物件の購入価格の他にかかる初期費用や、年間ランニングコストなどの情報が必要になりますが、その分正確な計算ができますから頑張ってみましょう。

鍵は実質利回り!太陽光発電投資回収期間の計算方法

2148_02
太陽光発電の投資回収期間の計算方法
太陽光発電投資回収期間=100÷実質利回り
という計算方法になります。

では実質利回りとは何かというと、下記の計算式で求めることができる数値です。

実質利回りの計算方法
実質利回り=(①年間想定売電収入−②年間ランニングコスト)÷③初期費用×100
となります。

後ほど①、②、③の数値の算出方法をご説明しますが、ここでは算出できたことにしてあてはめてみましょう。
年間の日射量が3.8 kWh/㎡の地域で49kWの規模の土地付き太陽光発電所を所有した場合に①、②、③の数値を算出したことにします。

実質利回り
(① 978,667円−②220,000円)÷③10,000,000×100=7.58667

実質利回りは約7.6%となります。
実質利回りの数値が出たら、いよいよ太陽光発電投資回収期間の計算式にあてはめてみましょう。

太陽光発電の投資回収期間
100÷7.6(実質利回り)=13.15789473(年)

この計算方法を用いると、13年以内に投資回収が可能であるという結果になります。

つまり、この計算方法によると、年間の平均日射量が3.8 kWh/㎡の地域で49kWの規模の土地付き太陽光発電所を所有した場合、投資は約13年で回収することが可能という結果ですね。

では、上記の計算の中身である
  1. 年間想定売電収入
  2. 年間ランニングコスト
  3. 初期費用
にあてはめる詳細な情報の求め方を下記でご説明いたします。

①年間想定売電収入の計算方法は「年間発電量×売電価格」

2148_03
年間想定売電収入とは1年間でどれだけの売電収入を得られるかを想定した数字です。実際には計算上の想定を上回る収入となることが多いのですがおおよその目安となります。

年間想定売電収入
年間想定売電収入=1年間の発電量×売電価格(2018年は18円)
という式になり、まずは1年間の発電量を求める必要があります。

1年間の発電量を求めるためには平均日射量の値が必要になりますから、NEDOの日射量データベースを参考にすることをおすすめします。
NEDOを参考にすれば、いろいろな地域の日射量を比較検討できるので、年間の売電収入額が多く見込める地域を選択して物件を購入することも可能ですよ。

NEDOでご希望地域の1日平均の日射量が分かったら、それをもとに年間の発電量を試算します。
シミュレーションを行う前に気をつけておきたいのが、ロス率の存在です。太陽光発電所は、必ずしも100%稼働することはなく、発電ロスが発生します。

発電ロスには、太陽光パネルの温度上昇によるロス(ロス率15%)などさまざまな条件が挙げられますが、すべての条件をあわせると一般的に25%が年間のロス率として考えられています。

ここでは、年間の日射量が3.8 kWh/㎡の地域で49kWの規模の土地付き太陽光発電所を所有した場合のシミュレーションを行ってみます。

1年間の発電量
1年間の発電量(kWh)=平均日射量(kWh/㎡)×365日×太陽光パネルの容量(kW)×0.75(ロス率25%)
上記の式に数値を当てはめます。

3.8(kWh/㎡)×365日×49(kW)×0.8=50,972kWh(年間発電量)
これでおおまかな1年間の発電量は50,972kWhであることが分かります。

年間の発電量がわかったら、1年間の売電収入額、つまり年間想定売電収入も出してみましょう。

年間想定売電収入
50,972kWh(年間発電量)×18円=917,500円

つまり、年間の日射量が3.8kWh/㎡の地域で49kWの太陽光パネルを設置した場合には年間想定売電収入は
① 917,500円
となります。

数値はあくまで目安ですが、土地付き太陽光発電所をどこの地域で購入しようか迷っている方は、日射量により年間想定売電収入に違いが出てきますから、日射量の数値が高くて気候が良く、年間売電収入を多く見込める地域を探してみると良いでしょう。

より確実性の高い数値を望まれる方は、太陽光発電設置業者に計算を依頼することもできます。
太陽光発電設置業者であれば専門のソフトウェアを使用し、メーカーのパネル性能も考慮して、より実際に近い値の年間発電量を算出してくれるでしょう。

その際も、自分でおおよその目安を算出してあると、太陽光発電設置業者の出す数値を信頼できるかどうかの指針になります。
もしも購入したい土地付き太陽光発電所の物件情報に年間想定売電収入も記載されている場合にはそちらの値を計算式にそのままあてはめて計算しても良いでしょう。

②年間ランニングコストはメンテナンス費用と損害保険料

2148_04
次に年間ランニングコストを求めます。

年間ランニングコストの例
  • メンテナンス費用:19万円
    (定期点検年1回+緊急駆け付け年1回+監視サービス365日+遠隔監視システム+除草年1回)
  • 損害保険料:約3万円

この場合には合計した年間ランニングコストは
② 220,000円
と考えられます。

③初期費用は低圧の場合750〜1,000万円

初期費用は物件の購入費により大きく変わります。
容量49kW未満の低圧では750万円〜1,000万円が目安でしょう。

物件の購入費の他にかかる費用としては下記のものが挙げられます。

連携工事費負担金 約50万円
フェンス代 約20万円
事業者名の標識代 約5,000円
土地の登記など事務手数料 約20万円
契約書印紙代 1万円

金額はあくまで目安ですが、物件購入費の他に初期費用として合計100万円前後かかるとみておきましょう。
今回は、49kWの物件を購入したとして、物件購入費とその他初期費用を合わせて初期費用は
③ 1,000万円
とします。

これで①、②、③の値が出ましたから、上記の実質利回りを算出する計算式に当てはめてみましょう。

土地付き太陽光発電への投資を最短回収する3つの方法

さて、投資回収期間を計算できましたが、「できることならもっと短い期間で回収して利益を増やしたい」と誰もが思うものです。

そのためには、
  • 初期費用を抑える
  • ランニングコストを抑える
  • 売電収入額をできるだけ増やす
上記の3つの考え方に基づいた手段を講じるのが良いでしょう。

費用を抑えるといってもメンテナンス費用などを惜しんだために不具合が生じると却って費用がかさみますから、メンテナンスはしっかり行い、順調な発電を続けることをおすすめします。

それでは具体的な方法をみていきましょう。


1.販売価格に含まれる特典が多い物件を選んで投資回収期間を2~3年短縮

2148_05
実質的な初期費用やランニングコストを抑えるために有効なのが、販売価格に含まれる特典が多い物件を選択する方法です。
物件によっては「コミコミ」と表記されていたりしますが、販売価格に下記のような費用が含まれています。

初期費用
  • 太陽光発電システム+土地代
  • 連携工事費負担金
  • フェンス代
  • 事業者名の標識代

ランニングコスト
  • 遠隔監視システムの運用費用
  • 損害保険料

物件購入時にかかる連携工事負担金は約50万円もします。連携工事負担金とは太陽光発電で発電した電力を売電するために必要となる工事や手続きにかかる費用。発電エリアや発電設備の規模によりこの費用は変わりますが多い場合には100万円にもなります。
この費用が物件購入価格に含まれていて、かつ物件価格が相場と変わりなければとてもお得です。

ランニングコストに遠隔監視システムの運用も入っていた場合にはメンテナンス費用に遠隔監視システムを計上する必要がなくなります。
そのため、年間ランニングコストを説明する時に例として挙げた、メンテナンス費用19万円が年間5万円近く安くなることもあります。
損害保険も年間に3万円と考えると、合計8万円も得する計算になります。

例えば上記の費用で、年間の日射量が3.8kWh/㎡の地域で49kWの太陽光パネルを設置した場合に、
  • 初期費用を100万円安く
  • ランニングコストを8万円安く
したら、実質利回りは

917,500円(年間想定売電収入)−140,000(年間ランニングコスト)÷9,000,000円(初期費用)×100=9.17498
と計算できますから、実質利回りを9.2%と考えて、太陽光発電の投資回収期間の計算方法の式にあてはめます。

100÷9.3(実質利回り)=10.87956年(太陽光発電投資回収期間)

この場合には10年〜11年の間に投資回収が可能という計算になります。
太陽光発電投資回収期間の計算方法のところで計算した13年よりも2~3年早く投資回収できることになります。

2.初年度に消費税還付の手続きを行うには青色申告を提出

2148_06
太陽光発電所購入にかかった消費税は、手続きを行うことで還付されます。
もしも土地付き太陽光発電所を1,000万円で購入した場合、消費税は8%ですから80万円もの消費税を支払うことになります。
これだけの額が還付されるわけですから、しっかりと手続きを行いましょう。

まず、自治体の税務署に開業届を出す際には青色申告を選択し、課税事業者となることを選択して下さい。

課税事業者となると売電収入の消費税8%を納めなければいけないため、どうしようか迷う方もいらっしゃるかと思いますが、その分太陽光発電所を購入する時に支払った多額の消費税を還付してもらえますからおすすめです。

もしも青色申告を選択せず、白色申告を選択して非課税業者になってしまうと、売電収入の8%を納めなくても良いかわりに、初期投資における多額の消費税を還付してもらえませんから注意が必要ですよ。

ここで青色申告をして課税事業者になることを選択したとしても、その後4期目以降に売上が年間1,000万円以下であれば非課税業者に戻る手続きができることを覚えておきましょう。

非課税業者となれば、売電収入の8%の消費税を収益に含めることができます。4期目以降には忘れずに非課税事業者に戻る手続きを行って下さいね。
ただし、売上が1,000万円以上ある場合には非課税事業者に変更することはできませんので、他にも副収入のある方はお気をつけ下さい。

3.発電量を増やせる過積載で年間の売電収入も増やす

次に過積載で売電収入を増やす方法をご説明します。

年間の売電収入額を増やせたらそのぶん入る金額が多くなり、当然投資回収期間は短縮できます。
太陽光発電における過積載とはパワーコンディショナーに接続するソーラーパネルを増やした接続方法のことです。なんだか危険な言葉に感じるかもしれませんが、そんなことはないので安心して下さい。

例えば49kWのパワーコンディショナーに73.5kWのソーラーパネルを接続している場合には過積載率は150%となります。
ソーラーパネルが太陽光を浴びて発電するので、ソーラーパネルを増やせば発電量も上がり、それにともなって売電収入額も増やせるというわけです。

もちろん、過積載率が150%だからといって発電量を常に150%に増やせるわけではなく、49kWのパワーコンディショナーの容量を超える発電量になった場合にはピークカットといって電気はカットされて捨てられてしまいます。

それでも雨の日や曇りの日など、発電量の少ない日の発電量を従来より増やすことができます。
日本は梅雨があり天候が悪い日が多い気候であるといえます。晴れた日にピークカットされたとしても、発電量が少ない悪天候の日の発電量を増やすことで全体の発電量を増やせますから、おすすめですよ。

4.土地付き太陽光発電所を選ぶ際は気象条件の良いエリアを選ぶ

2148_07
売電収入を多く得て投資回収期間を短縮しようと思ったら、日射量の多い土地を選ぶことも重要です。
太陽光を使って発電するのですから、当然年間日射量が多いエリアを選ぶほうが年間発電量も多くなり売電収入を多く得られます。

年間想定売電収入の計算方法のところでご紹介したNEDOの日射量データベース閲覧システムを利用するなどして、各地の年間平均日射量を比較検討してみましょう。

ここで気をつけていただきたいのは、日射量が多ければ多いほど良いのかというとそうではなく、日射量が多くてもソーラーパネルの温度が上昇し過ぎると発電効率が低下することです。
これは太陽電池モジュールが熱に弱いためと考えられます。最も効率よく発電できる温度は25℃ということも頭に入れてバランス良く場所の選定を行いましょう。

また、太陽光発電は雪の日はほとんど発電しないため、降雪量の多い土地は避けるほうが無難かもしれません。

土地付き太陽光発電は初期投資を抑えて回収期間を早める

土地付き太陽光発電の投資回収期間を最短にしようと思うなら、初期投資費用やランニングコストを減らし、売電収入を増やす対策を行うことが大切です。

やはり初期投資を抑える労力を惜しまないことがポイントとなります。物件購入の際には綿密なシミュレーションを行いましょう。