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太陽光発電の初期投資費用の相場は1,000万円超!年間コストや回収方法も解説

仕組み・基礎知識
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太陽光発電投資を検討する時にまず気になるのは「初期費用はどれくらいかかるのか」「初期費用は本当に回収できるのか」といった点でしょう。
確かに、自己資金が数万円からでも始めることのできる株式投資とは違い、太陽光発電投資では土地や設備の購入といった初期費用がかかるため、投資対象として考えた時に初期費用の面で投資に踏み切るか否かを迷われる方が多いのは事実です。

しかし、実際のところ太陽発電の初期費用は本当に高いのでしょうか。
そこで今回は、そんな太陽光発電の初期費用の相場や年間コスト、回収方法について詳しく解説したいと思います。

太陽光発電の初期費用の相場は1,000万円を優に超える

個人が投資として産業用太陽光発電システムを設置する場合、メンテナンス費用や手続きの面を考えても50kW未満の発電設備を設置することが一般的です。しかし、50kW未満と一口に言っても10kWと40kWではその費用も大きく異なります。そのため、太陽光発電のシステム価格を比較する場合は合計金額ではなく1kwあたりの単価で比較をする必要があります。

現在、太陽光発電システムは大手電機機器メーカーを始め多くのメーカーから様々な製品が発売されていますが、おおよその目安として太陽光発電システムの単価は1kWあたりの発電設備で約30万円前後(2018年10月現在)と考えておいて良いでしょう。

ちなみに、太陽光発電システムは1システムあたりにかかる基本料金(基礎工事や取付に必要な設備など)があらかじめ決められているため、設置するソーラーパネルの数が多ければ多いほど、1kWあたりの単価は安くなります。

そして、この太陽光発電システムの費用に加え、システムの設置には150~700㎡程度の広さの土地が必要です。150㎡ですとバレーボールコート1面分ほどになります。
さらに、投資商材としての一般的な太陽光発電の容量は40~49kW程度。つまり、仮にこの程度の広さの土地を既に所有していたとしても初期投資費用としては諸費用を入れると40kW×30万円=1,200万円と、1,000万円は優に超えることになります。

利回りやリスクを考えると太陽光発電投資の初期費用は高くない

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初期費用数万円から始められる株式投資や、物件購入費の6~8%程度の初期費用がかかるといわれる不動産投資などと比較しても、1,000万円を優に超える太陽光発電投資の初期費用は確かに高いと言えるでしょう。
しかし、ここで注意したいのは初期費用がいくら安くても利回りが低いと初期費用を回収するまでの時間がかかるということです。それはつまり、利益を出すまでの時間もかかることを意味します。

以下は、太陽光発電投資とその他の主な投資の平均的な利回りの目安とリスクを比較したものですが、利回りとリスクのバランスを考えた時、太陽光発電投資はローリスクハイリターンであることがわかるでしょう。

投資の種類 平均的な利回り リスク
太陽光発電投資 10~14% 【低】天候・天災によるリスクなど
株式投資 2~5% 【中】価格・為替変動リスクなど
FX 5~15% 【高】ハイレバレッジで大きな損失となる可能性も
仮想通貨 -10~20%以上 【高】価値が0になる可能性がある
投資信託 4~6% 【中】価格・為替変動リスクなど
不動産投資 2~6% 【中】金利リスクや空室リスクなど
保険投資 0.5~1.2% 【低】ただし長期的な運用となる
定期預金 0.01~0.2% 【低】ただしほとんど増えることがない

利回りが10%ということは、単純計算すると、仮に太陽光発電投資の初期費用に2,000万円がかかったとしても、その費用は10年で回収できる上、さらに10年で2,000万円の収入を得られることになります。
当然「20年も先のことは見通しがつかないのでは?」「20年間の間に利回りも変動するのでは?」と考えられる方もいるでしょう。確かに、上記はかなりの単純計算であり、実際には年間コストなどを差し引いた実質利回りを計算する必要があります。

しかし、後述する固定価格買取制度(FIT)により太陽光発電投資が20年もの間安定した利回りであることは紛れもない事実なのです。

ローリスクハイリターンの秘密は固定価格買取制度(FIT)にあり

なぜ太陽光発電投資がここまで高利回りなのか、その秘密は固定価格買取制度(FIT)にあります。
固定価格買取制度とは2012年に再生可能エネルギーの普及を目的として開始された制度で、太陽光発電などによる電力を国が最長20年間、固定価格での買い取りを約束するというものです。

この制度を利用するためには、電力会社との接続契約後、経済産業省に事業計画認定の申請をし、認定を受ける必要がありますが、認定を受けることができれば、認定を受けた年度のFIT価格で20年間電力を買い取ってもらえます。
例えば、2018年度内にこの制度を利用することができれば、2018年度の産業用太陽光のFIT価格は1kWhあたり18円(+税)ですので、20年間1kWhあたり18円で電気を買い取ってもらうことができるというわけです。

このように、太陽光発電投資には天候や天災といったリスクはあるものの、固定価格買取制度の利用ができれば年単位で年間の収益の見通しを立てることができるため、投資方法としては非常に高利回りかつローリスクなのです。

太陽光発電の年間コストとその目安

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太陽光発電投資には上述で紹介した1,000万円以上の初期投資費用の他、次のような年間コスト(ランニングコスト)がかかります。
なお、各項目の金額はあくまでも目安として考えてください。

電気代:3万円程度

太陽光発電システムは主に太陽光を電気エネルギーに変換する太陽光パネルと、太陽光パネルの電気を家庭用の電気へと変換するパワーコンディショナーで構成されています。このうち、パワーコンディショナーは太陽光による発電ができない夜間も待機電力程度の電力を消費するため、1台あたり1か月500円程度電気代がかかります。

パワーコンディショナーのタイプにもよりますが、49.5kwの設備(3相パワコン・9.9kw)と仮定した場合、5台程度のパワーコンディショナーが必要となるため、年間およそ3万円程度の電気代がかかることになります。

パワーコンディショナー買い替え費用:7.5万円程度

上述のパワーコンディショナーは平均的な寿命が10年程度と言われています。太陽光パネルは20~30年程度使用可能と言われているため、仮に太陽光発電システムを20年使用し続けるとすれば、その間に1度はパワーコンディショナーを交換することになります。

太陽光発電システム全体の価格は年々低下傾向にあるため、今後さらに価格帯が下がる可能性はありますが、仮に1台あたり30万円程度のパワーコンディショナー(3相・9.9kw)を5台買い替えた場合、買い替え費用として総額150万円程度、これを20年で割ると1年あたり約7.5万円となります。

点検費用:0.5万円程度

2017年4月にFIT法が改正されたことにより、それまで義務付けられていなかった50kw未満の太陽光発電システムについても保守点検が義務付けられるようになりました。
メンテナンスについては「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」と呼ばれるものが参考資料として挙げられており、これによると点検頻度の目安は、設置後1年目、5年目、9年目、それ以降は4年に1回となっています。

したがって、仮に太陽光発電システムを20年使用し続けた場合、最低5回は点検を行うことになるでしょう。
点検費用は1回2万円程度ですので、太陽光発電システムを20年使用し続けるとすれば5回の点検で約10万円、1年あたり約5,000円の点検費用がかかる計算になります。

清掃費用:10万円程度

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基本的に太陽光パネルは野晒しであるため、当然ながら砂や埃といった汚れは付着します。
雨や風により洗い流されることも多いため、それほどマメに清掃をする必要はありませんが、放置しておくと発電障害を起こすような汚れもあります。安定した発電量を確保するためには定期的に清掃をしておくことをおすすめします。

清掃費用は、野立ての場合で1kwあたり2,000円程度から可能ですので、仮に49.5kwの設備を1年に1度清掃したとすれば1年間あたり10万円程度の費用となるでしょう。

遠隔管理システム費用:4万円程度

太陽光発電を長期にわたって行うのであれば、遠隔管理システムの運用は欠かせません。遠隔管理システムを利用すれば発電量を常時チェックできるため、太陽光発電システムにもし何らかのトラブルが起こった場合もすぐに現場に駆け付けるなどの対応がとれます。

機能や管理会社によって費用は様々ですが、1年あたり4万円程度はかかると考えておいてよいでしょう。

損害保険料:5万円程度

太陽光発電システムについては全てのメーカーで最低でも10年間程度の出力保証や発電保証がついており、さらに料金を追加することで保証期間を延長できるメーカーもあります。

しかし、例えば落雷による火災や洪水による水没などで太陽光発電システムにトラブルが起こった場合、保証外となる部分については自費で対応するしかありません。
そのようなリスクに備えるために、損害保険も用意されています。加入する保険の種類によってその保険料は様々ですが、一般的に太陽光発電の年間保険料は初期費用の0.3~3%程度。仮に初期費用が1,500万円であれば最低でも年間5万円ほどの保険料がかかることになります。

税金(固定資産税、所得税):6万円程度

産業用の太陽光発電にかかる税金としては、固定資産税と所得税が挙げられます。

固定資産税は太陽光発電の法定耐用年数である17年間支払うこととなり、実際の税金額は評価額の1.4%です。
毎年の評価額は太陽光発電システムの購入額に原価率0.127(初年度0.064)を掛けて算出されるため、例えば1,500万円の太陽光発電システムの場合、17年間で支払う固定資産税額は合計1,221,272円となります。
これを仮に運用期間20年で割ると年間およそ61,063円の固定資産税がかかることになるでしょう。

所得税については全量買取の場合、年間20万円以上の所得が見込まれるため課税対象となる可能性が高いでしょう。サラリーマンなどの給与取得者が事業としてではなく全量買取をしている場合も雑所得扱いになりますので、売電による所得が20万円を超えれば確定申告をする必要があります。
なお、ここでは具体的な所得税の金額については省略します。
 
以上を合計すると、初期費用1,500万円の49.5kwの太陽光発電システムの場合、年間コストはざっくり見積もって36万円程度はかかることになります。

年間コストまとめ

内容 金額/年
電気代 3万円
パワーコンディショナー
買い替え代
7.5万円
点検代 0.5万円
清掃代 10万円
遠隔管理システム代 4万円
損害保険代 5万円
税金 6万円
合計 36万円

初期投資費用は年間コストを考えても8~12年で回収可能

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ここまでで、太陽光発電の初期投資費用と年間コストの大まかな目安を知ることができたかと思います。では、実際にこれらの投資費用はどのくらいの期間で回収することができるのでしょうか。

太陽光発電投資の表面利回りは10%程度ですが、実際に投資を行うとなると現実的な収益性を表す実質利回りを算出する必要があります。
実質利回りは上記の計算式で算出できます。

実質利回り=(収益-年間コスト)÷初期投資額×100

実際に、2018年10月現在、インターネット上に実際に掲載されている売電単価18円、年間売電収入170万円の物件情報を参考に、上述の例(初期費用1,500万円、49.5kwの太陽光発電システムで、年間コスト36万円)を使って実質利回りを算出すると、次のようになります。

(収益170万円-年間コスト36万円)÷初期投資額1,500万円×100=8.9

このように、仮に年間コストが36万円発生したとしても実質利回りは8.9%となり、さらに、投資回収期間は【100÷実質利回り】で算出することができるため、100÷8.9=11.2、つまりこの物件の場合、12年以内には初期投資費用が回収できることになります。

なお、今回例に挙げたような物件は決して珍しいものではありません。
産業用太陽光発電の平均的な投資回収期間は8~12年と言われているため、他の物件であっても、やはり表面利回りと実質利回りにそれほど大きな差は生まれないでしょう。

回収期間を早くするための2つのポイント

実質利回りで考えてもやはり他の投資に比べてローリスクハイリターンな太陽光発電投資。他の投資と比較すると初期投資費用は高額ですが、その利回りの高さと固定価格買取制度による安定性で日本政策金融公庫や地方銀行などからの融資も受けやすく、フルローンで運用を始める投資家も少なくありません。

とはいえ、やはり1,000万以上かかる初期費用はなるべく早く回収したいところ。そこで、以下では回収期間を早くするための2つのポイントをご紹介します。

足元をチェック!最適な土地を探す

回収期間を早くするためには、やはりまずは初期費用を抑えられるかが重要です。しかし、太陽光発電システムの価格は上述のとおりある程度の相場が決まっていますし、性能やメンテナンスのことを考えても極端に費用を抑えることは現実的ではないでしょう。

そこでポイントとなるのが土地選びです。
当然、太陽光発電ができそうな土地を既に所有しているのであれば利用すべきですが、土地を所有していなくても、最適な土地を見つけることで初期費用を抑えることができます。

太陽光発電のための土地というと真っ先に日当たりの良い土地を意識しますが、同じように意識して欲しいのが足元です。いくら日当たりの良い土地であっても太陽光パネルの重みに耐えられないような地盤では地盤改良工事が必要となりますし、地面がでこぼことしているような土地は整地工事も必要となります。

地盤改良工事の費用の目安は1㎡あたり8,000~2万円程度、整地工事の費用の目安は1㎡あたり5,000円~1万円程度ですので、このような工事を必要としない土地を見つけるだけでも大幅に初期費用を抑えられるでしょう。

メーカーの保証と補償をチェック!保険のムダをなくす

年間コストの中で、年間の保険料が結構高いな…と感じた方は多いのではないでしょうか。保険は確かに多く入っていれば安心ですが、中には太陽光発電システムのメーカー補償がついているにも関わらず、同じ補償内容の保険に加入しているということもあるのです。

また、保証期間を有料で延長させることのできるメーカーを選ぶことで、メンテナンス費用を抑えられる可能性もありますし、太陽光発電システムの販売店を経由することにより割引価格で保険に加入できる場合もあります。

保険に加入する前にはまずはメーカーの保証と補償をチェックし、1社だけでなく数社から見積もりを取ることが重要です。
固定価格買取制度の期間を考えても20年間は稼働が予想される太陽光発電システム。初期費用が回収できれば、その後は売電収入で修理対応できる可能性があることも視野に入れましょう。

実質利回りや年間コストを算出しきめ細やかな戦略を

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太陽光発電は利回りも高く、固定価格買取制度により収益の見通しも立てやすいため、1,000万円以上の初期費用がかかったとしてもローリスクな投資であると言えます。
しかし、少しでも回収期間を早めるのであれば、運用前に実質利回りを算出し、年間コストを抑える方法についてしっかり考えておくことが重要です。

太陽光発電の普及により初期費用は年々減少傾向にありますが、同時に買取価格も低下しています。そのため、これからの太陽光発電投資は融資を受ける際の利率や諸費用のコストカットなど、きめ細やかな戦略が立てられる投資家にとって有利に動いていくかもしれません。