二値化処理は、分析対象の画像を白と黒の2色のみに変換する画像処理です。二値化処理によって画像と背景の境界を明確化させることで、処理速度を向上させるだけでなく、品質検査などのさまざまな分析を行うことも可能です。
今回は、二値化画像処理の基礎やメリットとデメリット、二値化処理を行う上で重要な「しきい値」の考え方や設定方法について解説します。また、最後には二値化を活用した画像処理システム製品について紹介します。
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1.二値化と二値化処理
(1)二値化とは?
画像の濃度の多様性のことを「階調(gray scale)」といい、多階調画像(多値画像)とは多数の階調で構成された画像のことで、自然風景や写真などを指します。それに対して、二階調画像(二値画像)とは、階調数が二つのみの画像のことで、文字や図面などが該当し「白黒画像」と解釈されます。
二値化とは、階調数の多い多値画像をシンプルな二値画像に変換することを指します。
(2)二値化処理とは?
画像は階調と色分布によって、1bitの二値画像(白黒)と8bitのグレー画像、合計24bitのRGBカラー画像などに分類されます。二値化処理では、1画素が0〜255階調のグレー画像を、設定した「しきい値」を境として黒(0)と白(1)の二値に変換します。
画像を2色に変換することによって、画像処理の対象物の境界が明確になり、さまざまな画像分析ができるようになります。例えば対象の特定箇所の寸法を計測できたり、異物などの欠点画像を明確化して個数をカウントしたり、その面積から製品の合否判定を行うこともできます。
2.二値化処理の主な流れ

(1)濃度ヒストグラム
二値化の流れを理解するためには、ヒストグラムについて理解する必要があります。
デジタル画像処理では、撮影した画像を横軸に「濃度値」、「出現画素数」を縦軸にした「濃度ヒストグラム」で表現します。画素の空間情報は失われてしまいますが、撮影した画像がどのような濃度の画素で構成されているかを数値化することができるという特徴があります。

「画素」とは、デジタル画像処理をするために、全画面上に作られた離散的な各位置のことを指します。
(2)二値化処理の流れ
対象画像を二値化処理するためには、まず、濃度値に分類するための基準となる「しきい値」を設定します。そして、しきい値より濃度値が低い状態、つまり明るければ「白(1)」、濃度値が高く暗い状態なら「黒(0)」といったように二値に変換します。
(3)しきい値の決め方
しきい値の決め方には、以下のような方法があります。
①モード法

二値画像が、観測する「対象物」と「背景」の二つで構成されていることを前提に、その濃度境界を見つける方法です。画像の濃度ヒストグラムが二つの山を持つ双峰性がある時、谷にあたる濃度値をしきい値に設定します。
当然ですが、対象画像が双峰性がない平坦なデータの場合は、しきい値の設定が難しいという問題があります。
②P-タイル法

処理対象画像の画面内の画素数が分かっている場合に、「全面積:S」の中から「対象物の面積:So」が占める「割合P」をしきい値に設定します。例えば、S0が30%を白(1)にすると設定するならば、30%になる濃度値tがしきい値となります。
③判別分析法
処理対象画像を「対象物」と「画像」の2つのクラスに分けた時、クラス間の分散と各クラス内の分散を用いて計算する「分離度」が最大となる濃度値をしきい値に設定します。
クラス間の分散が大きければ、対象物と背景がくっきりと分かれていることになるため、しきい値としては良好なのですが、クラス内分散の大きい方に偏る傾向にあります。
これら以外にも「微分ヒストグラム法」「ラプラシアンヒストグラム法」「移動平均法」「部分画像分割法」などのしきい値設定方法があります。
3.二値化処理のメリットとデメリット

(1)二値化処理のメリット
二値化処理は、古くからあるデジタル画像処理方法なので理論的なノウハウの蓄積があり、情報量が2つ(0と1)のみと少ないため、高速で画像処理ができ、低コスト処理したい場合に向いています。また、画像処理を行う対象画像には図面や文字などの二値画像が多く、利用する場面が多いというメリットもあります。
(2)二値化処理のデメリット
画像の二値化処理を行うには、二値に分類するためのしきい値の設定が重要です。しきい値によって二値化されるため、対象画像と背景の境界の濃淡が薄い場合にはその部分が検知されない場合もあります。
また、しきい値の設定方法によっては、しきい値の設定がしにくかったり、画像処理するデータ数が多い時に不向きというデメリットがあります。
4.各メーカの二値化処理の導入事例

(1)三谷商事株式会社:WinROOFソフトシリーズ
二値化処理などの画像処理を用いて、画像解析や計測を行うソフトウェアが「WinROOF」です。販売実績が30年以上もあるのでノウハウも豊富で、電子顕微鏡やマイクロスコープなどのさまざまな計測器に対応しており、処理機能も200を越えるためさまざまな画像処理に対応できます。
システムを扱う人間による誤差を減らすために、エッジ部の自動フィット機能なども備えています。
人工知能(AI)分類機能を有した解析ソフトウェアのオプションもあり、二値化処理などに必要な多数の学習データがなくても画像処理を実施できます。また、画面処理フィルターや計測ツールなどがまとめてパッケージ化されています。
(2)ヴィスコ・テクノロジーズ株式会社:VTV-9000シリーズ
VTV-9000シリーズは、二値化処理などを行う独自開発の画像処理ソフトウェア「VisionManager」と、カメラなどのハードウェアをパッケージングした画像処理検査装置です。画像フィルタも30種類以上が実装されており、周期ムラなどの検査阻害要因を排除しながら、クラックや打痕検査、キズや異物の検査などのさまざまな外観検査を行うことができます。
検査に必要な画像処理速度や解像度などによって、高精細・高速処理向けのハイエンドモデル「VTV-9000ST(最大6500万画素)」やローコストモデル「VTV-9000U」など、5つのモデルから選択できます。
5.画像処理システムの導入に関するご相談はFAプロダクツへ
二値化処理などの画像処理システムを導入する場合には、ソフトウェアとハードウェア両面からのアプローチが必要です。FAプロダクツはSIerとしてのシステム納入実績に加えて、「画処ラボ」での画像処理システム導入サポートの経験も豊富です。
画像処理システムの導入でお悩みの方は、お気軽にご連絡ください。豊富な知見を活かし、お困りごとに合わせた最適なソリューションを提供いたします。
また、導入前に「Plant Simulation」や「Process Simulate」のシミュレーションを行うことで、ムダの削減・設備の最適配置・生産性向上を実現できます。
・Plant Simulation:生産ラインや物流フロー全体の流れをシミュレーション
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