昨今の製造業では、少子高齢化に伴う人手不足、人件費の高騰、多種少量生産への対応に伴う非効率な生産といった様々な課題を抱えています。そのような状況の中でも安定した生産を行い利益を確保するためには、生産ラインの生産性を向上させることが不可欠です。
今回は、そのような方のために生産ラインの生産性を向上させるポイントや事例をご紹介します。
FAプロダクツでは、工場設備のメンテナンス・リプレースにご対応いたします。
- 老朽化した設備を入れ替えたい
- 手書き図面をデジタル化したい
- 緊急のメンテナンスをお願いしたい
といったお悩みのお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。弊社が納品したもの以外の設備にもご対応いたします。
1.なぜ生産性を向上させないといけないのか?

(1)生産性向上とは?
「生産性」とは、「生産要素」を投入することによって得られる「産出物」との相対的な割合のことを指します。製造業での生産性は、具体的には次の計算式で表すことができます。
生産性 = 産出物(生産量) / 生産要素(労働力・設備費・原材料費等)
製造業では、産出物は製品の生産量と考えると分かりやすいです。
生産要素に関して、1つずつ見ていきます。
「労働力」= 生産に関わる人数×労働時間
「設備費」= 生産するために利用される設備費用
「原材料費」= 生産するために必要な原料・材料・部品等
この計算式を踏まえると、製造業において生産性を向上させるということは、少ない生産要素で多くの製品を生産することと考えられます。単純に生産量を多くすることだけを目的とするのではなく、生産要素を少なく抑えることによっても生産性向上が達成できるということを理解しておきましょう。
(2)生産性の向上によるメリット
生産性を向上させることによって、次のようなメリットを得ることができます。
①利益の増大
生産性を向上させることによって生産量が増えると、より多くの製品を製造・販売できるようになり、利益が増大します。従来は生産量が足りずに逃していたチャンスを得ることができ、会社の規模を拡大していけるようになります。
②コストの削減
生産要素を少なく抑えることにより、生産に必要なコストを削減することができます。例えば、作業の効率化により作業者を1人減らすことができれば、その1人分の人件費というコストを削減できたことになります。また、コストの削減は利益の増大にも繋がります。
③品質の担保
生産性を向上するためには、不良品の発生によるロスを削減していく必要があります。不良品をなくすために、作業内容やマニュアルの見直しをして作業者ごとのバラつきをなくしたり、ロボットの導入により人の作業でのミスをなくすといった施策を行うことで、一定の品質レベルを担保できるようになります。
2.生産ラインの生産性を向上させるポイントを4つ紹介

では、具体的にどうすれば生産ラインの生産性を向上させることができるのでしょうか。ここでは、生産性を向上させるためポイントとして4つのことを紹介します。
(1)5Sによる生産ラインの効率化
工場の生産を効率化させる方法として、5Sがあります。5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけのことを指します。生産性の低い現場では、ものが散らかっていて生産に必要でないものがあったり、必要なものがどこにあるか分からずに探すといった無駄な手間が生じていることがあります。5Sを徹底することで無駄をなくすことができ、生産性向上につながります。
(2)ボトルネック工程の改善
生産性の低い生産ラインには、ボトルネック工程があることがほとんどです。ボトルネック工程とは、生産ラインにおいて特に時間がかかっていたり、生産能力や作業効率が悪い工程のことをいいます。ボトルネック工程を解消することで生産ラインがスムーズに流れるようになり、ライン全体の生産性を向上させることができます。まずは、生産ラインのどこで・どのような業務を行っているのかを見える化し、その中でボトルネック工程を見つけて改善するようにしましょう。
(3)生産ラインのレイアウトを最適化
生産性を向上させる上で、生産ラインのレイアウトを最適化させることも重要です。生産ラインのレイアウトには、製造する製品や作業工程によって、適したレイアウトがそれぞれ異なります。適したレイアウトになっていない場合、作業員の移動時間が長くなってしまったり、生産ラインがスムーズに流れずにリードタイムが長くなるといった無駄が発生している可能性があります。
(4)生産ラインの自動化・無人化
ロボットや自動化設備の導入による生産ラインの自動化・無人化も、生産性を向上させる手段として有効的です。
・人の作業によって時間がかかっている
・人の作業によるミスで不良が多発している
といった作業工程を自動化することによって、生産ライン全体の生産性が大きく向上します。ロボットや自動化設備の導入にコストはかかりますが、人件費や不良の削減効果が大きく見込めて費用対効果が得られるのであれば、実施すべき施策といえます。
3.生産ラインの生産性を向上させた事例3選

ここでは、実際に生産ラインの生産性向上に取り組んで成功した事例を3つ紹介します。
(1)焼鳥工場での事例

参照:経済産業省「ロボットの導入実証事業 事例紹介ハンドブック2018」
1つ目は、株式会社コスモジャパンが生産ラインの自動化により生産性向上を実現した事例です。
焼鳥の串刺し作業を行う工程で、従来は3名の作業者が人の手で作業を行っていましたが、作業者の高齢化と人手不足のため、生産性の向上が大きな課題となっていました。
そこで、人の手で行っていた選別・投入作業を画像処理装置とロボットで自動化し、作業者数が3人→1人に減らすことに成功しています。
(2)即席麺用食品工場での事例

参照:経済産業省「ロボットの導入実証事業 事例紹介ハンドブック2018」
2つ目は、株式会社西野物産が生産ラインの自動化により生産性向上を実現した事例です。
即席麺用のチャーシューの包装工程で、従来は人が1枚1枚包装機へチャーシューを供給していました。枚数も1日2万枚と多く、単調で過酷な作業を人の手で行っていました。
ロボットと自動化装置の導入により、作業者の人員削減を実現するとともに生産量も1.3倍となり、生産性の向上を実現できました。
(3)筆工場での事例

参照:経済産業省「ロボットの導入実証事業 事例紹介ハンドブック2018」
3つ目は、株式会社北斗園が生産ラインの自動化により生産性向上を実現した事例です。
伝統工芸品である筆の製造で、従来はほとんど全ての作業を人の手で行っていました。職人の高齢化、安価な中国製品の台頭などにより、生産の自動化やコストダウンが必須の状況となっていました。
そこで、複数のロボット・自動化装置を導入して生産ラインを構築し、ほとんど全ての作業工程の自動化に成功しました。自動化により、作業者を6人→2人に削減すると共に、生産量は実に6倍以上となり、大幅な生産性向上に成功しました。
4.生産ラインの生産性向上に関するご相談はFAプロダクツへ
今回は、生産ラインの生産性向上のポイントや具体的な施策、おすすめメーカーをご紹介しました。生産ラインの生産性を向上させることは簡単なことではないですが、今回紹介したポイントを意識して、ぜひ改善に取り組んでみてください。
自動化・無人化による生産ラインの生産性を向上させたいという方は、お気軽にFAプロダクツへご相談ください。
また、導入前に「Plant Simulation」や「Process Simulate」のシミュレーションを行うことで、ムダの削減・設備の最適配置・生産性向上を実現できます。
・Plant Simulation:生産ラインや物流フロー全体の流れをシミュレーション
・Process Simulate:ロボットや機械の動作を3Dで再現し、干渉や作業効率を検証
FAプロダクツでは、シミュレーションの活用支援も行っておりますので、ぜひご相談ください!
Plant Simulationについてはこちら
Process Simulateについてはこちら
【所在地】
つくばベース:茨城県土浦市卸町2-13-3
TEL:050-1743-0310
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)















