エアモーターとは、空気を動力源とするモーターです。電気を用いないため、不要な熱や火花を散らす危険性が低く、油を用いる場所や電源がない場所でも利用できるモーターとして重宝されています。
本記事では、エアモーターについて動作原理や用途、メリット・デメリット、主要メーカーまで詳しく解説します。
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1.エアモーターとは?電気モーターとの違い

ここではエアモーターについて、定義や電気モーターとの違いから解説します。
(1)エアモーターとは
エアモーターとは、電気ではなく空気を動力源とするモーターを指します。モーター内に存在する複数の部屋に圧縮空気を送り込み、部屋から部屋へ空気が移動する際のエネルギーで回転を生じさせます。
空気を利用することから、エアモーターには給気口と排出口が設けられている点も特徴です。
また、一般的にエアモーターの速度・回転数の調整は、空気を供給・排出する際の圧力のコントロールによって行われます。
(2)エアモーターと電気モーターの違い
エアモーターと電気モーターの一番の違いは、モーターの動力源が空気か電気かということです。
以下に主な違いをまとめます。
| エアモーター | 電気モーター | |
| 動力源 | 空気 | 電気 |
| コスト | △ 周辺機器をそろえると高くなる傾向がある | 〇 豊富なバリエーションから選べる |
| 防爆エリアでの使用 | ◎ 火花が起きないため安全 | △ 防爆仕様のモーターを選ぶ必要がある |
| 回転数の調整のしやすさ | 〇 空気の圧力を調整することでコントロール可能 | ◎ エアモーターより微調整が可能 |
| 本体重量 | ◎ 電気モーターより軽いものが多い | 〇 製品による(軽量化した製品もあり) |
(3)エアモーターの主な使用用途
エアモーターは電気を使用しないことが大きな特徴で、主に以下のような場所で利用されています。
| ・食品加工 ・薬品製造 ・船舶・航空機の部品として ・一般工業の撹拌機 ・防爆仕様が必要な場所など |
たとえば多量の水を使用する食品・薬品製造では、水を扱う場面において、電気仕様のモーターでは故障や感電の恐れが付きまといます。これらのリスクを改善する方法として、エアモーターの利用が進められています。
また、船舶・航空機の部品、防爆仕様が必要な場所では、電気モーターを使う場合火花が散るリスクがあります。電気を使わないエアモーターなら、高い安全性を担保できるとして利用されています。
一般工業における撹拌機では、エアモーター本体が軽く、取り回ししやすい点が重宝されています。
また、エアモーターについては以下の動画も参考にしてください。
2.エアモーターの作動原理
エアモーターは比較的単純な構造をしており、作動原理はシンプルです。給気口から取り込まれた圧縮空気は、モーター内のローターに取り込まれます。

取り込まれた圧縮空気は、給気口から絶えず吸気される空気によって前に押し出され、ローターを回転させながら、次の部屋(羽の向こう)へと向かいます。
この動作を繰り返し、圧縮空気は最終的に排出口から排出されます。エアモーターを起動させ続ける限り、給気口から圧縮空気も送り込まれ続け、ローターは回転し続けます。
また、作動原理はエアモーターの種類によって異なります。たとえば筒形のエアモーターの場合、ローターに設けられた部屋に空気を送り込むのではなく、給気口から吸入された空気が排出口へ一直線に流れるときの反作用を利用して回転力を生み出します。
内部構造も電気モーターより単純な作りになっていることが多く、メンテナンスをしやすいというメリットがあります。
3.エアモーターの主な種類と特徴
ここでは、エアモーターの主な種類とその特徴等を解説します。
(1)ベーン式エアモーター
引用:https://tsumori-tech.com/pneumatic-motor/
ベーン式エアモーターとは、ローターに差し込まれたベーン(羽)に圧縮空気を当てて回転力を得るモーターです。
風車と同じ原理で、ごくシンプルな構造であるため、短時間でのトルク上昇や高速回転を得意としています。
(2)ピストン式エアモーター
引用:https://www.aqsys.co.jp/products/handypump/amh1-20fc
ピストン式エアモーターは、モーター内にピストンを搭載し、圧縮空気によりピストンが上下運動をすることで高トルクを実現可能なモーターです。
ベーン式エアモーターより低速の回転域に強く、パワーが必要な場面で便利です。
(3)バルブ式エアモーター
バルブ式エアモーターは、空気の供給・排出をコントロールするバルブを備えたエアモーターです。
バルブを切り替えることで、空気の流れを変更することができます。正逆回転の変更、速度・トルクの変更が容易になる特徴があります。
(4)ギヤ式エアモーター
ギヤ式エアモーターとは、モーター内にギヤ(歯車)を搭載したエアモーターです。
空気の圧力を高めることで、高トルクを実現でき、より小型化を目指しているものが多いです。モーターの小型化、高トルクの実現により撹拌機などで採用されています。
(5)バレル式エアモーター
バレル式エアモーターは、円筒型の部品を用いたエアモーター全般を指します。
比較的大きなトルクを発生できるため、大掛かりな機械部品や運搬時に利用される傾向が高いです。
4.エアモーターを用いるメリット

ここでは、エアモーターを用いる主なメリットを解説します。
(1)安全性が高い

エアモーターは空気を動力とするため、電気式のモーターのように高熱をおびたり火花が散るリスクがなく、非常に安全性が高いというメリットがあります。
火気厳禁の場所や、気温を一定に保つ必要がある場所でも、リスクなく利用することが可能です。さらに、油圧モーターと比較した場合、オイル漏れの心配もありません。
防爆施設だけではなく、高く清潔を保つ必要がある場所での利用にもおすすめです。
(2)小型・軽量なものが多い

エアモーターは電気式・油圧式のモーターに比べて内部構造が単純にできています。そのため、モーターに必要な部品も少なく、小型かつ軽量なものが多いのです。
電気式と比べると、おおむね一回りはコンパクトになります。そのため、長時間にわたって取り廻す必要がある場合でも、無理なく利用しやすいというメリットもあります。モーターの利用時間が長かったり、社員の負担を軽減したかったりする場合などでおすすめです。
(3)メンテナンス性が高い

エアモーターは内部構造がシンプルです。使われている部品も多くないため、メンテナンスの手間が少ないです。
油圧式のモーターのように、汚れがこびりつくようなこともありません。扱いに慣れれば、ごく短時間で手入れを終えることもできるでしょう。
また、構造がシンプルだということは、故障の可能性も低くなるということです。長く安定した活用という面でも、優れています。
5.エアモーターを用いるデメリット

ここでは、エアモーターのデメリットを確認します。
(1)稼働中の音が大きい
エアモーターは電気式モーターと比べて、稼働中の音が大きいという特徴があります。電気式モーターのように、モーターそのものが音を立てるのではなく、吸気・排気による音であるため抑えることは難しいです。

エアモーター専用のサイレンサーも存在しますが、全てのエアモーターにサイレンサーが利用できるわけではないことに注意が必要です。
(2)電気モーターと比較すると総額が高い

エアモーターは電気を必要としませんが、空気を供給する必要があります。そのため、空気の供給設備がない場所で利用しようとした場合、エアモーターだけではなく、コンプレッサーなど周辺機器もそろえなければなりません。
空気の供給設備を新設しようと考えれば、供給設備・エアの配管が必要になるため、軽く100万円以上の費用が掛かります。また、エアコンプレッサー本体を導入する場合、コンプレッサーそのものは電気が必要になるため、エアモーターの利点を利用できない可能性も出てきます。
すでに空気の供給設備が整っている、将来的な費用対効果を考えられるケース以外では、エアモーターは高額だと言わざるを得ません。
6.エアモーターの主要メーカー5選!
ここでは、エアモーターの主要メーカーをご紹介します。それぞれの特徴を把握して、自社とマッチするメーカーを見つけてください。
(1)SMC株式会社
url:https://www.smcworld.com/ja-jp/
拠点:日本(東京都)
【特徴】
世界最大級の空圧機器メーカー。エアモーター単体よりも、アクチュエータ・制御系を含めたシステムで強みを持つ。国内外でのサポート体制が充実。
(2)株式会社日東工器
url:https://www.nitto-kohki.co.jp/
拠点:日本(東京都)
【特徴】
高トルク型・高回転型のエアモーターを多用途に展開。産業用・医療用の両分野で実績あり。小型で高性能な製品に強み。
(3)Atlas Copco(アトラスコプコ)
url:https://www.atlascopco.com/ja-jp
拠点:スウェーデン
【特徴】
エアモーター市場のグローバルリーダー。ATEX認証品なども多く、食品・化学・防爆環境で採用例多数。ラインナップが非常に豊富。
(4)DEPRAG SCHULZ GmbH
url:https://www.deprag.com/de/index.html
拠点:ドイツ
【特徴】
小型・高精度なエアモーターに特化し、組立ラインや医療・分析機器分野でも利用される。特注対応にも柔軟。
(5)Ingersoll Rand(インガソール・ランド)
url:http://ingersollrand.jp/
拠点:アメリカ
【特徴】
工業用エアツールやエアモーターの老舗メーカー。堅牢性と信頼性に優れ、重工業・建設機械などの分野で根強い人気。
7.エアモーターに関するご相談は株式会社FAプロダクツへ
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
FAプロダクツでは、これまでの実績をもとに、FA化による生産性の向上や工程はもちろん使用している機械・装置のFTAを支援し、それぞれの工場にとって最適なアドバイスを行っております。装置のメンテナンスサービスに加え、振動解析を活用した予知保全(Siluro)による設備の安定稼働支援も行っております。
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トルクモーターについても、ぜひご相談ください。
また、導入前に「Plant Simulation」や「Process Simulate」のシミュレーションを行うことで、ムダの削減・設備の最適配置・生産性向上を実現できます。
・Plant Simulation:生産ラインや物流フロー全体の流れをシミュレーション
・Process Simulate:ロボットや機械の動作を3Dで再現し、干渉や作業効率を検証
FAプロダクツでは、シミュレーションの活用支援も行っておりますので、ぜひご相談ください!
Plant Simulationについてはこちら
Process Simulateについてはこちら
【所在地】
つくばベース:茨城県土浦市卸町2-13-3
TEL:050-1743-0310
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)















