渦巻ポンプは、羽根車の回転によって遠心力を生み出し、それを利用して流体を押し出すポンプの総称です。水などの流体を移動させる必要がある現場では欠かせません。
この記事では、渦巻ポンプの概要や原理から、その種類と選び方までまとめて解説しています。また、渦巻ポンプの主要メーカもご紹介しました。
渦巻ポンプの導入を考えている方はぜひ参考になさってください。
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1.渦巻ポンプとは?特徴や原理、使用用途

渦巻ポンプは、液体を吸引し、遠心力によって加速させて放射状に排出する動力ポンプの一種です。
ポンプの回転子に取り込まれた液体は渦巻状に回転し、その動きによって圧力差が生じ、液体はポンプ内を移動します。主に中程度から高い流量と低い揚程で使用され、非常に効率的で信頼性が高いという特徴を持ちます。
(1)原理

基本的な原理は、羽根車の回転によって流体に遠心力を加え、その遠心力によって流体を押し出すことです。
羽根車は円筒形の回転子であり、羽根はケーシングの内壁との間隔が狭く、流体が渦巻くように設計されています。羽根車(インペラ)の回転によって流体は渦巻ポンプの室内で遠心力を受け、中心から外側に向かって加速され、最終的に吐出口から排出されます。
これは、流体のエネルギー保存則であるベルヌーイの定理に基づいています。
インペラは液体の速度エネルギーから圧力に変換するという、ポンプにとって重要な要素を担っている部品です。インペラにはさまざまな種類があります。以下はその中でも代表的なものです。
・半径流インペラ:水を半径方向に流す。羽の形は2次元曲面
・混流形インペラ:軸方向から半径方向に変化する。羽の形は3次元曲面。
(2)特徴
渦巻ポンプは、単純な原理や構造によりメンテナンスが容易で、広範囲の流体に使用できる汎用性が特徴です。
また、安定した吐出量と吐出圧力を得やすく、振動や騒音も少なく、特に液体中の固体容積濃度が20%以下で、比較的粘度の低い溶液に適しています。
また、渦巻ポンプは、液体中に固形物が混ざっていても効果的に取り扱うことができます。このことから、建設現場や汚水処理などの環境で、異物の有無にかかわらず頼りにされます。
(3)使用用途
渦巻ポンプは流量が多いことなどによってそれほど圧力が必要ないケースに有用で、特に、大量の液体を効率的に移動させる用途に使用されます。。
具体的には以下のような用途に適しています。
・排水
・ボイラの給水
・化学工場
・上下水道
・鉱山
・農業分野や空調機の給排水、灌漑
さらに羽根の形状などの改良、工夫によって以下のようなものの輸送に使われることもあります。
・泥水、汚水
・スラリー
・パルプ混液
・砂礫や石炭
・魚やみかん(水と一緒に輸送する)
【参考動画】
引用:渦巻ポンプの基礎知識
2.揚程とは

ここでは渦巻ポンプを選ぶ際に重要な指標となる「揚程」について解説します。
揚程とは、ポンプが液体を持ち上げ、流れを作り出すことができる高低差を示し、これは液体をポンプから出口まで移動させるために必要なエネルギーを評価する際に重要なパラメータです。
揚程は通常、ポンプやファンの性能曲線や仕様表に示され、その機械が特定の運用条件や要件に適合するかどうかの判断の目安とします。例えば水を建物の高い階に送り上げる場合や空気を建物内の通気口から排出する場合など、様々な工学的なアプリケーションで揚程を考慮する必要があります。
3.渦巻ポンプの種類と選び方

(1)渦巻ポンプの種類
渦巻ポンプにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特長があります。
渦巻ポンプは、羽根車の数、ケーシングの構造、軸封部の構造によって種類が分類されます。単段渦巻ポンプは1つの羽根車で流体を押し出し、多段渦巻ポンプは複数の羽根車を連続して配置し、段階的に流体を押し出します。
ケーシングの構造によっては、シングルケーシング渦巻ポンプとダブルケーシング渦巻ポンプがあり、軸封部の構造によっては、メカニカルシール式渦巻ポンプとシールレス式渦巻ポンプが存在します。
| 分類 | 種類 |
| 羽の数による分類 | 単段渦巻ポンプ |
| 多段渦巻ポンプ | |
| ケーシングの構造による分類 | シングルケーシング渦巻ポンプ |
| ダブルケーシング渦巻ポンプ | |
| 軸封部の構造 | メカニカルシール式渦巻ポンプ |
| シールレス式渦巻ポンプ |
それぞれの特徴をまとめると以下のようになります。
①単段渦巻ポンプ
単段渦巻ポンプは、1つの羽根車で流体を押し出すポンプです。
比較的シンプルな構造を持ち、低圧および中圧の用途に適しています。単段の構造なので、主に比較的低い揚程が必要な場合に使用されます。メンテナンスが容易でコストが抑えられる特徴があります。
②多段渦巻ポンプ
多段渦巻ポンプは、複数の羽根車を連続して配置し、段階的に流体を押し出すポンプです。
各段で流体に遠心力を加え、揚程を段階的に高めることが可能です。高揚程が必要な場合や高い圧力が求められる場合に利用されます。多段構造により、単段ポンプよりも高い揚程を実現できますが、構造が複雑でコストがやや高い傾向があります。
③シングルケーシング渦巻ポンプ
シングルケーシング渦巻ポンプは、1つのケーシングを持つポンプです。羽根車とケーシングが一体化しています。この構造は単純で製造が比較的容易であり、一般的な産業用途に適しています。ただし、ケーシング内で流れる液体による摩耗が発生しやすく、それによって寿命が短くなる可能性があります。
④ダブルケーシング渦巻ポンプ
ダブルケーシング渦巻ポンプは、2つのケーシングを持つポンプです。内側のケーシングが外側のケーシングを覆い、その間に冷却液が循環する構造を持っています。これにより、外側のケーシングが冷却され、摩耗が抑制されるため、耐久性や寿命が向上します。高温の流体を処理する際や対摩耗性が要求される場面で使用されます。
⑤メカニカルシール式渦巻ポンプ
メカニカルシール式渦巻ポンプは、軸とケーシングの間にメカニカルシールを配置して、流体の漏れを防止するポンプです。シールが外部から見えないため、比較的綺麗にされている環境での利用に向いています。しかし、メカニカルシールは摩耗が発生する可能性があるため、定期的にメンテナンスをする必要性があります。
⑥シールレス式渦巻ポンプ
シールレス式渦巻ポンプは、軸とケーシングの間にシールを設けずに、流体の漏れを防止するポンプです。シールレス構造により、摩耗が少なくメンテナンスが簡略化できる可能性があります。環境への影響が少なく、腐食や汚染のリスクが低いのが特徴です。特に危険な化学物質の取り扱いなど、危険な環境での使用が適しています。
(2)渦巻ポンプの選定のポイント
①用途と液体の性質
使用する環境や液体の種類によって適したポンプが異なります。例えば、固形物を含む汚水処理ならうず巻ポンプが、大量の水の移送なら軸流ポンプが適しています。
②揚程と流量
必要な揚程と流量に応じてポンプの性能を選択します。適切なポンプ性能を選ぶことで、効率的かつ経済的な運転が可能です。
③耐久性と保守
長寿命でメンテナンスが容易なポンプを選ぶことで、運用コストを削減できます。材料や構造の耐久性も考慮しましょう。
④エネルギー効率
エネルギー効率の良い製品は環境にも経済にも優れています。高効率なモーターや設計が採用されたポンプを選ぶことが大切です。
4.渦巻ポンプの主要メーカ一覧
ここでは、渦巻ポンプの主要メーカーをご紹介します。
(1)荏原製作所
url:https://www.ebara.co.jp/
拠点:日本(東京都)
【特徴】
国内最大手のポンプメーカー。上下水道、ビル設備、産業用など幅広い用途で採用され、海外展開も積極的。信頼性と長寿命が特長。
(2)川本製作所
url:https://www.kawamoto.co.jp/
拠点:日本(愛知県)
【特徴】
ビル・住宅設備用に強みを持つ老舗メーカー。省エネ・コンパクト設計の製品を多く展開し、メンテナンス性も高い。
(3)Grundfos(グルンドフォス)
url:https://www.grundfos.com/jp
拠点:デンマーク
【特徴】
世界有数のポンプメーカー。高効率・インバーター制御を備えた製品が多く、省エネルギー分野で評価が高い。ビル、水処理、産業用に広く対応。
(4)KSB SE & Co. KGaA(KSB)
url:https://www.ksb.com/
拠点:ドイツ
【特徴】
150年以上の歴史を持つ老舗。化学・石油・電力・水処理などの重工業向けに強く、高圧・高流量対応の製品が豊富。
(5)Flowserve Corporation
url:https://flowserve.co.jp/
拠点:アメリカ
【特徴】
世界的な産業用ポンプメーカー。石油・ガス・発電所・化学プラント向けの高性能モデルを多数展開し、グローバルサポート体制も充実。
5.渦巻ポンプ導入に関するご相談は株式会社FAプロダクツへ
渦巻ポンプは参入メーカが多数あり、どのメーカを選べばよいか、自社にあった製品はどれなのかなどを比較して検討するのも大変です。動作設定はメーカによって操作方法も異なるため、せっかく導入してもうまく使いこなせていない……ということも、しばしば見られます。
初めて導入する場合は、自社に適した装置を開発できるメーカに相談するのもひとつです。
FAプロダクツでは、これまでの実績をもとに、FA化による生産性の向上や工程はもちろん使用している機械・装置のFTAを支援し、それぞれの工場にとって最適なアドバイスを行っております。装置のメンテナンスサービスに加え、振動解析を活用した予知保全(Siluro)による設備の安定稼働支援も行っております。
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
トルクモーターについても、ぜひご相談ください。
また、導入前に「Plant Simulation」や「Process Simulate」のシミュレーションを行うことで、ムダの削減・設備の最適配置・生産性向上を実現できます。
・Plant Simulation:生産ラインや物流フロー全体の流れをシミュレーション
・Process Simulate:ロボットや機械の動作を3Dで再現し、干渉や作業効率を検証
FAプロダクツでは、シミュレーションの活用支援も行っておりますので、ぜひご相談ください!
Plant Simulationについてはこちら
Process Simulateについてはこちら
【所在地】
つくばベース:茨城県土浦市卸町2-13-3
TEL:050-1743-0310
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)















