ラダープログラムを作成するとなった場合、どのように作成すれば良いか最初は迷います。
しかし、プログラムには基本となる形というものがあります。
今回、ラダープログラムを実務で使用するSIerの立場から、ラダープログラムを作成するにあたって必要な知識やプログラムの基本的な形を紹介します。これを元にして、それぞれ目的の制御に合ったラダープログラムを作成してみましょう。
1.ラダープログラムを作る上での基本知識

(1)編集ソフト
ラダープログラムは、PCなどに編集ソフトをインストールして使用します。PLCは、さまざまな会社で販売されています。
しかし不幸なことに、各社で互換性のないプログラム編集ソフトを使用しなければなりません。それもあってか、日本では三菱電機製のPLCは扱えるけれど、キーエンス製のPLCは扱えないといった話も出たりします。
基本的な考え方は同じなのですが、使い勝手が違うため慣れたものを使いたくなってしまうのです。
(2)機械を知る
ラダープログラムは機械の動作を記述するものです。つまり、電気回路を見るのみでは全ての情報が集まりません。装置の目的、動作、タイミングなどを知っておく必要があります。例えばこの機器はこの順序で何秒後に動かす必要があるといった内容です。
しかし設計段階から完璧である必要はありません。例えばモーターの停止速度などは導入機器の摩擦や慣性などにも影響して変化します。
実際に導入して動かしながら調整していくことが殆どですので、まずはある程度の予想の元設定していくことになります。
(3)ラダープログラムの転送
作成したラダープログラムはPLCのCPUユニットへ転送します。その際、プログラムはニーモニク(機械語)の形に変換されています。
ラダー図は人が見ながらプログラムを作成するのには良いのですが、このままでは機械動作は出来ません。PLCの内部の演算処理にはニーモニクが使われているからです。
2.必ず押さえておきたい回路様式

ラダープログラムを用いた制御において非常に重要な考え方が2つあります。それが自己保持とインターロックです。ここでは、これら2つを解説していきます。
(1)自己保持回路
スイッチを押した後にモーターを動かす場合、スイッチは1回だけ信号が送られます。対してモーターは、スイッチの信号が送られた後も継続して回転し続けなくてはなりません。
モーターを継続して動かすために自己保持という考え方を使います。自己保持回路をラダー図で表すと、以下の通りとなります。

X001がスイッチ、X002が停止ボタン、Y001がモーターです。X001がONになると出力側のM001がONになります。それに伴い、入力側のM001もONになります。
X001を1回押しただけで、OFFに戻ったとしても入力側のM001がONになっているおかげで、出力側のM001が切れずに継続してモーターが回転を続けます。
X002はb接点となっており常に通電した状態で、停止ボタンが押された状態で通電が切れます。停止ボタンを押すことで出力側のM001が切れ、同時に入力側のM001も切れ、自己保持回路が切れる仕組みとなります。
(2)インターロック
自動制御を行うということは、想定外の状態になっても止められない事を意味します。何も対策を行っていなければ機械が動いている状態でも手を入れると触れられてしまい大事故が起こりかねません。それを回避するために大切なのがインターロックという考え方です。
例えば先ほどの機械に手を入れて事故が起こるという話ですが、まずは機械の周りに安全柵を設けることで手を入れることは回避できます。
ただし、メンテナンス時には安全柵を開けることが想定されます。ラダープログラムにて安全柵を開けたときに機械を止める制御を組み込めば、安全にメンテナンスできます。
何かの条件が揃っているとき(もしくは揃っていないとき)に別の条件が起こらないようにするプログラムを、インターロックと呼びます。
自己保持回路のときのモーター制御に関するプログラムを、少し変更してみましょう。
実用的なことを考えると、安全柵が閉まっているときに安全柵をセンサーで検知するように設計します。安全柵が開く、つまりセンサーが検知しなくなるとモーターが止まるようにラダープログラムを作成します。
もちろん停止ボタンも必要ですので、X003の部分に安全柵センサーを追加し、a接点で設定すればインターロック完成です。
3.プログラム実例紹介

これまでラダープログラムの基本を押さえてきましたが、実際にどのようにして導入されるのか、見てみましょう。今回は三菱電機株式会社の例を使わせていただきました。

(引用:初めてのシーケンサ 入門編・第5章 プログラム演習・導入事例2(給茶機制御)
給茶機の制御に関する事例です。回路プログラムは、次のように示されています。

(引用:同上)
・0行目
コップが置いてあり(X000)、給茶ボタンが押されると(X001)給茶出力されます(Y004)。
・3行目
給水下限よりも水が入っており(X003)、上限よりも水が入っていない場合(X004)に給水出力されます(Y003)。合わせて給水出力がなされると自己保持が働き、給水が継続されます。
・7行目
給水出力がされたとき(Y003)、補水回数カウンターを1回カウントします(C0)。
・11行目
補水回数カウントが5回に達すると茶葉交換表示ランプ(Y000)が点灯します。
・13行目
茶葉交換確認ボタン(X002)を押すと補水回数カウンター(C0)がリセットされます。
これら例を見て分かる通り、入力に対して出力するという考え方は変わりません。この考え方をもとに、複数の条件を組み合わせることで、複雑な制御を作り込むことができます。
4.おすすめのPLC取り扱いメーカー5選
(1)三菱電機株式会社
【特徴】
日本最大手の総合電機メーカーの1つです。国内では三菱電機製のPLCのみで機器を設計して欲しいと仕様に盛り込む企業もあります。リアルタイム性の高い産業用ネットワーク:CC-Linkを開発したメーカーでもあります。CC-Linkを活用したネットワーク構築の容易さや、安定した動作性能が評価されており、自動車・半導体・食品業界など幅広い分野で導入されています。
(2)キーエンス株式会社
【特徴】
キーエンス製のPLCは、直感的な操作性とシンプルな設定が特徴であり、エンジニアにとって非常に使いやすい設計となっています。特に、プログラム開発の手間を大幅に削減する自動補完機能や、わかりやすいGUIを備えた開発環境により、PLCの導入・設定がスムーズに行えます。また、シンプルなラダー回路作成が可能であり、初心者でも扱いやすいのが大きなメリットです。
(3)オムロン株式会社
【特徴】
オムロン製のPLCは、EtherNet/IPやModbus TCPだけでなく、PROFINETやEtherCATなど、多様な産業用ネットワークに対応しており、マルチベンダー環境での導入が容易です。これにより、既存の設備との統合がしやすく、異なるメーカーの機器を使用する際の互換性が高いというメリットがあります。
(4)Rockwell Automation
【特徴】
アメリカを拠点とするRockwell社のPLCは、EtherNet/IP(CIP通信)を標準採用しており、産業用ロボット、インバータ、SCADAシステムとの連携が容易です。また、DeviceNetやControlNetにも対応し、ロックウェル製品との統合がスムーズに行えます。これにより、工場全体の制御ネットワークを統合しやすい環境を提供します。
(5)Schneider Electric
【特徴】
ドイツを拠点とするSchneider Electric社のPLC(Modiconシリーズ)は、Modbus TCP/RTUを標準でサポートしており、計測機器、エネルギーマネジメントシステムとの接続が容易です。冗長CPUや冗長ネットワークに対応しており、信頼性の高いシステムを構築できます。PLCを最初に開発したメーカーでもあります。
5.PLCを用いた装置導入に関するご相談はFAプロダクツへ
もしPLC制御を用いた自動機器の導入を検討される場合は、ぜひ株式会社FAプロダクツにご相談ください。
【特徴】
株式会社FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
また、導入前に「Plant Simulation」や「Process Simulate」のシミュレーションを行うことで、ムダの削減・設備の最適配置・生産性向上を実現できます。
・Plant Simulation:生産ラインや物流フロー全体の流れをシミュレーション
・Process Simulate:ロボットや機械の動作を3Dで再現し、干渉や作業効率を検証
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【所在地】
つくばベース:茨城県土浦市卸町2-13-3
TEL:050-1743-0310
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)















