ネジポンプとは、筒状の部品の中を螺旋(らせん)状の部品が回転することで、液体・粉体を効率よく吸い上げ、吐出口へ移送するポンプのことです。別名「スクリューポンプ」とも呼ばれており、こちらの方が聞きなじみがあるかもしれません。
一言でネジポンプと言っても各メーカーが様々な製品を開発しているため、使用目的に合った性能や大きさ、形状などを適正に見極めることが大切です。
この記事では、ネジポンプの特徴や原理、ポンプの種類と選び方について分かりやすく解説すると共に、メリットやデメリットなどもご紹介します。もし、液体や粉体の移送で悩みを抱えているのであれば今後の検討材料として、ぜひ参考にしてください。
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1. ネジポンプとは?特徴や原理

ネジポンプとは、筒状内で螺旋状のネジ(スクリュー)が回転し、液体を吸込み口側から吐出し口側へ移送するタイプのポンプです。スクリューの回転速度を調整することで、粘性の高い液体でもスムーズに移送でき、ポンプが壊れる心配もありません。
(1) 原理
ここではネジポンプの原理について解説します。
ネジポンプは、ステーターと呼ばれる筒状の部品を固定し、その中に螺旋の形に加工したネジ(スクリュー)状の回転軸を差し込んでいます。ステーター内部に吸い込んだ液体をスクリュー状の軸が回転することで、吸込み口側から吐出し口側へ送り出す仕組みです。

上図はスクリューが1本軸タイプですが、その他にも2本〜3本のタイプもあります。
(2) 特徴
ネジポンプの特長は主に次の4つです。
① 流量と圧力が安定
ネジポンプは、ステーターとスクリューの形状によって1回の移送量の容積が決まるため、吐出量は常に一定になり、吸込み側の圧力が変動しても安定した流量で吐出できます。
② 高い吸引力
液体や粉体、粘性の高い液体や混合物でも効率よく吸い上げられるため、ネジポンプは液体吸引に優れた効果を発揮します。
③ 低振動性で液体の性質変化も起こりにくい
スクリューが常に回転しているため、連続的な動きによって吸込みと吐出しが同時に行われます。
そのため、吸込み口から吐出し口を通過するまで、吸込んだ液体は激しい動きがないまま吐き出されるのでポンプ振動も抑えられ、液体の性質変化も起こりにくいという特徴があります。
④ 粘性の影響を受けにくい
ネジポンプの種類と取り扱う液体の相性を見極めれば、粘性の無い液体から粘性の高い液体や混合物まで、取り扱う液体に関わらず、粘性の影響を受けにくい構造になっています。
そのため、気泡が混ざった練り物状の半固形物でも移送が可能であり、食品の練り製品や車のワックスのようなペースト状のもの、さらに汚泥などにも対応できます。
2. ネジポンプのメリットとデメリット

ネジポンプは液体移送にとってメリットばかりのように感じますが、取り扱いには制約があり、状況によってはデメリットにもなり得る可能性があります。
ここではネジポンプのメリットとデメリットを説明します。
(1)メリット
ネジポンプの主なメリットは次の5つです。
・粘性の高い液体の移送に対応できる
・低い脈動が可能で、安定した流れで移送できる
・運転中の静音性と低振動であるため、騒音対策にもなる
・ポンプを逆回転させるだけで吸込み口と吐出し口を逆転できる
・ 固形物の移送にも対応している
ネジポンプはスクリューの回転数を下げることで、固形物の移送も優しく扱えるので製品を傷つけることがありません。
(2)デメリット
ネジポンプの主なデメリットは次の4つです。
・他のポンプと比較して、流量や圧力の制御に制約がある
・高速運転をすると移送効率が低下し、製品を損傷したりポンプが摩耗することがある
・腐食性や固着性の製品を扱う場合は、定期的な保守が必要になる
・他の安価なポンプに比べ、設置環境によっては初期コストが高額になるケースもある
いくら液体から固形物まで対応できると言っても、高速回転で移送するとステーターとスクリューの隙間に製品が最大限入らず、移送量が低下して作業効率が悪くなります。
また、取り扱い製品の性質によっては定期的な保守点検が必須であり、部品交換やオーバーホール、本体の入れ替えも必要になる可能性があります。
3.ネジポンプの種類と選び方

ネジポンプは、いくつかの種類に分かれており、それぞれの特性と選び方を解説します。
(1) 一軸ネジポンプ(シングルスクリューポンプ)
一軸ネジポンプは、ステーターの中にスクリュー軸が1本挿入されているタイプで、回転方向に移送します。
スクリューが回転することで内容物を吐出し口へ押し出す構造で、回転軸が1本しかないので圧力の低い液体を処理する場合に適しており、食品工場から薬品工場まで多岐に渡って使用されています。
| 一軸ネジポンプに適した液体の例 |
| 牛乳や醤油、ドリンク類、マヨネーズ、水あめ、口紅、糊、活性汚泥、粉末活性炭、苛性ソーダ、界面活性剤、ビール、気泡入り洗顔料など |
また、一軸ネジポンプには、一軸偏心ネジポンプ(モーノポンプ)と呼ばれるものもあります。(別名:スネークポンプ)
これは名前の通り、蛇のようにクネクネした回転軸が特徴です。

モーノポンプは長距離の移送が可能で、高粘度液や固形物、気泡を含んだ液体、粉体など、製品を損傷することなく優しく移送できるという特徴もあります。
【参考動画】
引用:兵神装備株式会社/HEISIN Ltd. 構造と原理【モーノポンプ基本編1】
(2) 二軸ネジポンプ(ダブルスクリューポンプ)
二軸ネジポンプは、ステーターの中に2本のスクリュー軸のスクリュー部分が噛み合うように平行に並んだ状態で挿入しているタイプで、回転方向と逆方向に移送します。
そのため、2本のスクリュー軸はそれぞれ逆回転をしています。
一本軸と比べて移送力は強くなり、より粘性の高い液体の処理に適しています。
| 二軸ネジポンプに適した液体の例 |
| チョコレートや味噌、化粧クリーム、パルプなど |
【参考動画】
引用:株式会社ニクニ【公式チャンネル】 2軸スクリューポンプ「GemiL」実演動画(固形物移送、高粘性液移送)
(3) 三軸ネジポンプ(トリプルスクリューポンプ)
三軸ネジポンプは、ステーターの中に3本のスクリュー軸が挿入されているタイプです。
構造は、3本の内1本が主軸となってステーターの中心にあり、主軸の周りに残り2本のスクリュー部分が噛み合いながらステーター内に収まっています。
スクリュー軸が3本になると、2本に比べてさらに移送力が強力になり、高い吸引力と流量が可能です。
| 三軸ネジポンプに適した液体の例 |
| 発電機などの潤滑油や作動油、軸受給油などの粘性の高い液体 |
3タイプのネジポンプを紹介しましたが、どのタイプを使用するのかによっても用途は異なります。
石油・ガス産業、排水処理、食品産業、造船業、化粧品、建設業、鉱山業、化学プロセス産業など、様々な分野で活用されているので用途に合った適切なタイプを選びましょう。
4.ネジポンプの主要メーカー一覧
ここでは、ネジポンプの主要メーカーをご紹介します。
(1)株式会社タクミナ
url:https://www.tacmina.co.jp/
拠点:大阪市中央区淡路町2-2-14 Daiwa北浜ビル10階
【特徴】
粘度の高い液体や化学薬品向けに強みを持つポンプメーカー。三軸スクリューポンプ「Smoothflow」シリーズは、低脈動・高精度の移送が可能で、食品・化学・医薬用途に広く採用。
(2)株式会社荏原製作所
url:https://www.ebara.co.jp/
拠点:東京都大田区羽田旭町11-1
【特徴】
大型産業機械・流体機器の総合メーカー。スクリューポンプは船舶や石油・化学プラント向けに強く、高粘度液・燃料移送に対応する実績が豊富。
(3)大晃機械工業株式会社
url:https://www.taiko-kk.com/
拠点:山口県熊毛郡田布施町大字下田布施209-1
【特徴】
特に船舶用スクリューポンプで国内外に多数の納入実績を持つ。潤滑油・燃料油・重油など高粘度流体の移送に特化。三軸・単軸タイプを展開。
5.ネジポンプ導入に関するご相談は株式会社FAプロダクツへ
ネジポンプは参入メーカが国内外に多数あり、どのメーカを選べばよいか比較して検討するのも大変です。
初めて導入する場合は、自社に適した装置を開発できるメーカに相談するのもひとつです。FAプロダクツでは、豊富な実績をもとに最適なネジポンプ導入のお手伝いができますので、ぜひご検討ください。
また、導入前に「Plant Simulation」や「Process Simulate」のシミュレーションを行うことで、ムダの削減・設備の最適配置・生産性向上を実現できます。
・Plant Simulation:生産ラインや物流フロー全体の流れをシミュレーション
・Process Simulate:ロボットや機械の動作を3Dで再現し、干渉や作業効率を検証
FAプロダクツでは、シミュレーションの活用支援も行っておりますので、ぜひご相談ください!
Plant Simulationについてはこちら
Process Simulateについてはこちら
【所在地】
つくばベース:茨城県土浦市卸町2-13-3
TEL:050-1743-0310
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)















