スピンドルモータは、モータの回転とスピンドルの精密さ・安定性を合わせた製品です。
ドリルによる穴あけ、リーマによる穴の精密化、砥石による研削などの機械加工を行うには、工具を回転させるモータが必要です。しかし、モータの軸に直接ドリルを接続して穴あけを行っても、回転に伴って回る軸に安定さや精巧さが無ければ、精度のある孔を開けることはできません。
そこで、回転に伴って回る軸に安定さや精巧さを提供するものがスピンドルです。
このコラムでは、モータの原理とスピンドルの特徴から、スピンドルモータを解説します。また、最後にはスピンドルモータやそれらの技術を活用したメーカーを紹介します。
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1.スピンドルモータとは?原理としくみ

(1)スピンドルとは
スピンドルは、工作機械に付属させ、回転軸として動作させる機構です。
スピンドル単体では単なる軸であり、回転体に精度を向上させる機構としてスピンドルを取付け、スピンドルユニットとして使用されます。
スピンドルは、精度が良く安定した回転運動をおこなうことが特徴です。そのため、スピンドルを加工用いることで寸法精度が高く、粗さのない仕上がりが可能です。
スピンドルの使用目的は以下の通りです。
・旋盤使用時の工作機械の回転軸
・研削盤使用時の工作機械(円筒工作物・砥石)の回転軸
・半導体製造でのエッチング工程時のウェハの回転軸
・精密性が求められる手術用高速回転ドリルの回転軸
・自動車エンジンの耐久性を要する回転軸
・自動車風洞試験機の高負荷かつ耐久性を要する回転軸
・加工ロボットの先端設置による精密加工
また、スピンドルを使った機械には以下のようなものがあります。
・モータで直接駆動・精密回転伝達
・モータ動力をプーリーやベルト、歯車などへの回転伝達
・圧縮空気駆動機械(エアタービン)の高速回転伝達
・圧縮空気駆動機械(エアモータ)の低速で高トルクの回転伝達
(2)モータの仕組み
次に、モータの仕組みについて確認します。
図1は、モータがどのような原理で回転するかについてのイメージ図です。

図のように、2つのN極とS極の磁石の間に、電流の通った電路線があるとき、磁石のN局とS極の間には、磁界ができていて、N極からS極の方向に磁束が通っています。
そして、フレミングの法則から、磁界と磁界中を通る電流に対して垂直な方向に磁力が発生します。
磁力の方向は、電流が上から下に流れるときは、電路線の上側に力が掛かります。反対に、電流が下から上に流れるときは、電路線の下側に力が掛かります。
四角い電路線の上と下に力が加わると、電路線は時計回りに回転します。
実際には、回転が止まる方向に力が加わることがありますが、モータには整流子や他の電子デバイスなどを取付けて、回転が止まることがないように工夫が凝らされています。
(3)スピンドルモータとは
スピンドルモータは、工作機械に利用されるスピンドルと、回転動力としてのモータが一緒になった機械です。モータの軸としてスピンドルが使われています。
モータを使って回転力を機械に伝えるためには、歯車やプーリーなどの伝達機構を使って機械を動かしますが、その伝達機構がスピンドルとなったものが、スピンドルモータです。
図3は、スピンドルモータの構成例です。

図3の上側の図は、フランジを取付けたスピンドルです。スピンドルの軸より大きい軸を持った工作機械を取り付けることができます。
図3の下側の図は、リーマを取付けたスピンドルです。リーマ加工には、精度の高さ、揺れのない正確な回転が求められるため、スピンドルを取り付けることで図面通りの加工が期待できます。
【参考動画】スピンドルモータについては、以下の動画も参考になります。
引用:BARRIQUAN(バリカン)BRQ-EL01【ロボットでバリ取りを自動化するスピンドルモータ】
引用:高周波スピンドル・モータエレメント 1 【アルフレッド・イエガー社】(ダイナミックツール株式会社)
引用:新製品でA5052(アルミ合金)切削&穴あけ加工【ナカニシ史上最大トルクモータスピンドル:BMS-5010】
2.スピンドルモータの使用例とサーボモータとの違い
ここではスピンドルモータがどのような機械に使用されているか、そしてサーボモータとの違いを説明します。
(1)スピンドルモータの使用例
スピンドルモータは、低速から高速回転、高トルク機器と、幅広い機械分野で使用が可能です。スピンドルモータの特徴である精度や安定性が求められる機器に使用されます。
以下はその例です。
●ドリル加工機
●エンドミル加工機
●研磨加工機
●バリ取り加工機
●リーマ加工機
●カッティング加工機(スピンドルに丸鋸のような切削工具を装着)
●ロボットのアームに装着し、バリ取りや研磨作業
●DVD回転体
●ハードディスク
図4は、スピンドルモータを利用したDVDの回転部のイメージ図です。
DVDが回転する部分にスピンドルを使用しています。

DVDに使用されるスピンドルモータは次の特徴を活かしています。
・高速回転が可能(3500 RPM程度)
・精度が高い
・振動がほとんど無い
・音がなく静かに動作可能
(2)スピンドルモータとサーボモータの違い
例えば、ロボットアームにドリルを装着して、ワークに穴を開ける作業ををロボットにさせる場合、ドリルを装着するモータは、スピンドルモータとサーボモータが考えられます。
どちらを装着するかは、スピンドルモータとサーボモータの特性などを踏まえて決定する必要があります。
スピンドルモータとサーボモータの比較は、以下の通りです。
表1 スピンドルモータとサーボモータ比較
| 比較項目 | スピンドルモータ | サーボモータ |
| 特性 | 高速回転や高トルクを実現 | 高い制御精度と応答性 |
| 制御性 | ・1方向の制御 ・速度制御 ・位置制御 | フィードバック制御により、所定の位置・速度の制御 |
| 応用分野 | 工作機械に装着し、高速加工・高速移動作業・切削作業に適している | ロボットのアームの制御。 |
| 構造 | ブラシレスの三相交流モータ | ブラシ付き、ブラシレスの直流モータ |
3.スピンドルモータの主要メーカー5選!
以下では、スピンドルモータの製造メーカーの紹介と製品の特長を、5社に厳選して紹介します。ほとんどのスピンドルモータを製造する会社は、加工機・加工設備の1つの装置として各種モータなどを製造しています。
(1)日本電産
url:https://www.nidec.com/jp/
拠点:日本(京都府)
【特徴】
HDD(ハードディスク)用スピンドルモーターの世界シェアNo.1。近年は工作機械向け精密モーター分野にも進出し、幅広いラインアップを展開。
(2)安川電機
url:https://www.yaskawa.co.jp/
拠点:日本(福岡県)
【特徴】
高精度・高速のサーボ技術を活かしたスピンドルモーター「Σシリーズ」を提供。CNC工作機械、ロボティクス向けで高い評価。
(3)FANUC
url:https://www.fanuc.co.jp/
拠点:日本(山梨県)
【特徴】
CNC制御技術と組み合わせた高精度スピンドルモーターを展開。特に工作機械向けのモーター分野で世界的シェアを確保している。
(4)Siemens AG(シーメンス)
url:https://www.siemens.com/jp/ja.html
拠点:ドイツ
【特徴】
産業用自動化システムのリーダー企業。スピンドルモーター「Simoticsシリーズ」は、高速・高トルクでCNCマシニングやロボット用途に最適。
(5)HSD S.p.A.
url:https://www.hsdmechatronics.com/en/
拠点:イタリア
【特徴】
木工・石材・アルミ加工向けの高精度スピンドルモーターを提供。欧州を中心に、CNCルーター向けスピンドルで高い評価。
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FAプロダクツでは、シミュレーションの活用支援も行っておりますので、ぜひご相談ください!
Plant Simulationについてはこちら
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【所在地】
つくばベース:茨城県土浦市卸町2-13-3
TEL:050-1743-0310
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)















