自動車部品や電子部品などの製品はもちろん、工場のガス配管や水道管から気体や液体がリークする(漏れる)と、安全な動作品質が保証できなくなったり、エネルギーロスの原因となることもあります。また、CO2削減などが叫ばれる中で、気づかぬうちに大気汚染などを行っている可能性もあります。
これらリークによる問題を解決するために使用する、漏れ検出器が「リークテスター」です。
今回は、リークテスターの測定原理や測定方式、導入によるメリットや測定時に事前に注意すべきポイント、選定方法について解説します。また、リークテスターを取り扱うメーカについても紹介します。
もし、リークテスター導入のコンサルティングを受けて、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
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- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
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1.リークテスターとは

リークテスターとは、配管や完成品で発生するリーク(漏れ)を検出する装置です。
リークが発生するものには、以下のように液体や空気、各種ガスなどさまざまなものがあります。
- 冷却用水道配管の継手
- ガスコンロやガスボンベのレギュレーター
- 自動車のシリンダーやオイルポンプなどの各種部品
- 医療器具の輸血用ポンプ
- 土木機器の油圧配管や油圧シリンダー
これらのリークが発生すると、大きなロスの原因になるのはもちろん最終製品の安全動作を保証できません。リークテスターは単純なエアー漏れだけでなく、さまざまな検査対象物のリーク発生箇所を特定する検査機です。
(1)リークテスターの原理
気圧差がある場合、圧力が高いところから低いところにエアーや流体は移動して気圧の均衡状態をつくりだします。リークがある場合は、該当箇所で圧力の変動が発生しており、リークテスターはこの圧力変化を検出します。
図1と図2では、リークテストについてのイメージをご紹介します。

図1はリークテスターが出る以前の、半製品ができた段階での漏れ検査の状況です。
(A) 図は、水槽に加圧したワークを入れて、泡が出るかを見守るテストです。
(B) 図は、加圧したワークに石鹸水を掛けて、泡が出るかどうかのテストです。
(A)も(B)も現在の製造ラインでは、行われることはありません。
図2は、リークテスタの原理図です。

図2の左側の図は、ワークを加圧して、漏れているかどうかを圧力計で検出する方法です。圧力計は電子式の高精度のものがありますので、記録や経歴を自動記録することができます。
図2の右側が、リークテストを簡単にするために、リークテスターができ、それを使ってのリークテストの様子です。
リークテスターとワークを接続することで、ワークの仕様に合わせてテスタの設定を擦れば、次々と同じワークのリークテストができます。
図3は、リークテストを自動化したイメージです。

図2のリークテスタは、ワークをテストのために、製造ラインから持ってくる必要があります。または製造ライン上で行ったとしても、その間、一時的にせよ製造ラインが停止するため生産性が悪くなります。
そこで、図3のように製造ライン上にリークテスト装置を設置し、その中をワークが通るだけでリークテストを行えるようにします。
リークテストに不合格のワークは、別ラインに送られ、手直しまたは破棄されます。
リークテスタを使う際に、圧力変動の検出にあたっては、リークのないマスターとの圧力差を検出する「差圧方式」と、検査対象物(ワーク)内の圧力変化を直接検出する「直圧方式」という2つのリークテストがあります。
最終的に、高感度差圧センサーで圧力変化量を電気変換することによって数値化し、リークの有無や漏れ量を検出します。
なお、リークテスターには、水圧式と油圧式、空気圧方式がありますが、いずれも圧力変化を検知することでリークの発生有無を検出します。現在主流となっているのは、空気圧式のリークテスターです。
(2)リークテスターの検査方法
リークテスターの検査方法には、ワークや検出用チャンバーなどとリークテスターを接続して差圧を検出する方法と、ガス漏れなどの微量な漏れを直接検出する方式に分かれます。
①内圧式
ワーク内部を直接的に加圧・減圧し、ワークのリーク箇所からのエアー漏れやエアー流入による圧力変化をリークテスターで検出する方式です。
②外圧式
ワークを密封されたチャンバー内に設置してワーク内部を加圧・減圧し、リークによるチャンバー内の圧力変化を検出する方式です。
③内積検出式
ワークを密封されたチャンバー内に設置し、チャンバー内を加圧・減圧してリーク箇所へのエアー流入・流出によるチャンバー内の圧力変化をリークテスターで検出する方式です。
④赤外線吸収式
赤外線センサーを使用し、直接ガス漏れなどを検出できる方式です。圧力ではなく各測定対象物質の赤外線吸収量と波長の違いからリークを検出するため、微量のリークの検出向きで誤検出が少ないという特徴があります。
⑤超音波検査式
エアー漏れ箇所で発生する小さな音を、超音波センサーによって検出する方式です。
差圧式エアリークテスタ
引用:FUKUDA|差圧式エアリークテスタ FUKUDA CO., LTD.
リークテスター動画
引用:リークテスター動画120 1 1 |Imagination At Work IKE
【ライン導入型全数検査】漏れ検査装置(リークテスト装置) コンベア方式
引用:【ライン導入型全数検査】漏れ検査装置(リークテスト装置) コンベア方式 | 高千穂精機株式会社
2.リークテスター導入のメリット

- 漏れ音検査:リークが疑わしい箇所で漏れ音がないか確認する
- 目視検査:水没試験やリークチェックスプレー(発泡剤)を用いた気泡発生箇所チェック
漏れ音や目視検査と比べ、リークテスターの導入によってどのようなメリットがあるのか以下で解説します。
(1)リーク検査の自動化ができる
リークテスターは、検査方法によってはリーク箇所を直接見つけることが難しいというデメリットはあります。
しかし、目に見えない検査対象物のリークによる圧力変化を数値化できるため、自動的にリーク発生有無の検出が可能です。そのため、最終製品の品質検査自動化が可能です。
(2)人件費が削減できる
漏れ音チェックや目視検査などでは、疑わしい箇所をすべて人が直接確認しなければいけません。しかし、リークテスターを使えばリーク検出の自動化が可能となり、人件費を削減できます。
リークテスターの導入コストはかかりますが、導入してしまえば機器の定期メンテナンスのみなので、人件費に比べればランニングコストはそれほど大きくなりません。
(3)検出力の個人差がなくなる
リークテスターを使えば、音や臭いといった官能的な検出方法や水没目視検査のような検査経験に左右される方法とは違って、自動測定した数値によって判断できます。そのため、リーク検出に際して個人差がなくなるというメリットがあります。
(4)リーク発生箇所に関係なく見つけられる
目視や音によるリーク検査は、人が立ち入れないような場所や人が目視できないような複雑な加工物などのリークには対応できません。しかし、リークテスターならば、圧力変化や赤外線検査によって人が直接検査できない箇所のリークも発見できます。
3.リークテスターを用いるときの注意点

リークテスターには、ワーク内の圧力変化を直接検査する「直圧方式」と、比較対象となるマスターとワークの圧力差を検査する「差圧方式」の2つがあり、それぞれに測定時の注意点があります。
(1)直圧方式の注意点
直圧方式は、ワーク内を直接加圧・減圧するため、ワーク内の温度変化やワーク自体の変形による圧力変化の影響が大きくなります。圧力が高くなるほど分解能が低下するため、圧力設定には注意が必要です。
また、圧力に応じて最適な測定レンジのリークテスターを選定しなければいけません。
(2)差圧方式の注意点
差圧方式は、マスターとワークの双方を圧力変化を検出するため直圧方式よりも検査時間を短くでき、直圧方式に比べて誤差を低くできます。内部エアーの温度変化やワークの変形などの影響は直圧方式と同様にありますが、検査時間を短くできるメリットがあるため、影響は小さくなります。
ただし、ワークに水や油などの付着物がある場合には、蒸気圧によって圧力変動が起こるため正確な測定ができなくなるため注意が必要です。
4.リークテスターの選び方

リークテスターは、次のポイントに着目すると適した方式が選びやすくなります。
・ワークの特徴
たとえば、加圧下で使用されるワークやワーク内部に液体が入るものは、加圧方式のリークテスターが適しています。
・ワークの形状
たとえば、開口部分が多くあるものは内圧式のタイプが、少ないものは外圧式のリークテスターが適しています。
詳しくは下表をご覧ください。
| 分類 | 検査対象 | 適した方式 |
| ワークの特徴 | ・加圧下で使用されるワーク ・ワーク内部に液体が入るもの | 加圧方式 |
| ・負圧下で使用されるワーク ・リークテスト時に温度や形状の変化が起こるもの | 減圧方式 (真空引き) | |
| ワークの形状 | ・開口部分が多くある ・一般的な形状 | 内圧式 |
| ・開口部分が少ない ・表面や内部の凹凸があまりない形状 | 外圧式 | |
| 内部が密封されており、外部からの気体や液体の流入がない製品や部品 | 容積検出式 |
5.リークテスターのおすすめメーカと取扱い製品

次に、リークテスターのおすすめメーカと、それぞれの取扱い製品の特徴をご紹介します。
(1)コスモ計器
url:https://www.cosmo-k.co.jp/
拠点:日本(東京都)
【特徴】
空圧式リークテスターの国内トップ企業。自動車部品、電子部品、医療機器など幅広い産業に対応し、操作性と安定性に優れる。
(2)株式会社フクダ(FUKUDA Co., Ltd.)
url:https://fukuda-jp.com/
拠点:日本(東京都)
【特徴】
エアリークテスターを中心に、漏れ検査装置の開発・製造を手掛ける。多様な検査ニーズに対応する製品群を展開。
(3)ATEQ Corp.(アテック)
url:https://www.ateq-leaktesting.com/
拠点:フランス
【特徴】
世界40か国以上で展開するリークテスト機器メーカー。自動車、医療、電子機器など幅広い産業向けに高速・高精度な製品を提供。
(4)INFICON(インフィコン)
url:https://www.inficon.com/
拠点:スイス
【特徴】
真空技術とガス分析の分野で高い技術力を持ち、半導体、冷凍・空調、自動車産業向けにリークディテクターを提供。
(5)Uson L.P.
url:https://www.uson.com/
拠点:アメリカ
【特徴】
非破壊のエアリークおよびフロー測定装置を提供し、医療機器、自動車、包装、工業製品の製造環境で採用実績がある。
6.リークテスター導入に関するご相談はFAプロダクツへ
リークテスターは、リークを検出したい対象物質や圧力範囲によってはもちろん、ワーク形状や測定時の設定環境によっても選択すべき装置が変わります。
また、工場の自動化や検査によるロスを防ぐためには、リークテスターの設置場所や測定環境の整備はもちろん、他の設備との連携を考慮しなければいけません。
FAプロダクツでは、これまでの設備導入実績をもとに、お客様に最適なリークテスターの選定やリーク検出システムの導入についてアドバイスを行っております。お悩みの方は、お気軽にご連絡ください。
また、導入前に「Plant Simulation」や「Process Simulate」のシミュレーションを行うことで、ムダの削減・設備の最適配置・生産性向上を実現できます。
・Plant Simulation:生産ラインや物流フロー全体の流れをシミュレーション
・Process Simulate:ロボットや機械の動作を3Dで再現し、干渉や作業効率を検証
FAプロダクツでは、シミュレーションの活用支援も行っておりますので、ぜひご相談ください!
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【所在地】
つくばベース:茨城県土浦市卸町2-13-3
TEL:050-1743-0310
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)















