長年使い続けてきた生産設備を「改造したい」「延命したい」と考えても、図面がない、PLCプログラムにコメントがない、装置メーカーが対応してくれないといった理由で、検討が止まってしまうケースは少なくありません。
しかし、図面がない=改造できない、ではありません。既存設備を調査・解析して図面やプログラム仕様を復元する「リバースエンジニアリング」を活用すれば、図面がない設備でも改造・更新の検討を進めることができます。
本記事では、図面がない設備で改造が進まない理由、リバースエンジニアリングによる図面化・PLCプログラム解析の方法、設備改造の流れと依頼先の選び方を解説します。
既存設備の改造・更新について、
・機械図面・部品図・部品表がなく、改造や増設を進められない
・PLCプログラムにコメントがなく、仕様がわからない
・装置メーカーが事業を終えており、対応してもらえない
・故障対応や部品調達に時間がかかっている
・既存装置を参考に新しい装置を製作したいが、まず図面が必要
という場合は、お気軽に株式会社FAプロダクツまでお問い合わせください。現地調査・診断は無料です。
目次
1.設備改造とは?図面がない設備で改造が進まない理由
(1)設備改造とは
設備改造とは、既存の生産設備に手を加えて、機能や性能を変更・向上させることです。新しいラインを一から作るのではなく、今ある設備を活かしながら、次のような課題を解決します。
- 設備延命:老朽化した部分を更新し、設備を長く使い続ける
- 能力増強:タクトタイムの短縮などで生産能力を上げる
- 品種追加:新しい製品・ワークに対応できるようにする
- 制御更新:生産終了したPLCやタッチパネルなどを新しい機器に置き換える
「新しいラインを作るには予算が足りない」「生産量は少ないが、まだ使用する」といった設備では、改造による延命・更新が現実的な選択肢になります。
(2)図面がないと改造が進まない理由
設備改造では、まず「今の設備がどうなっているか」を正確に把握する必要があります。機械図面・電気図面・ラダー図(PLCプログラム)などの資料がないと、次のような問題が起こります。
| 不足している資料 | 起こりやすい問題 |
| 機械図面・部品図・部品表 | 改造範囲や干渉の検討ができない/交換部品を特定・手配できない |
| 電気図面・I/Oリスト | 配線や信号の流れがわからず、機器の追加・変更ができない |
| PLCプログラムの仕様・コメント | 動作条件がわからず、プログラムの修正・追加ができない |
その結果、「図面がないから対応できません」と改造業者から断られてしまうケースも少なくありません。
(3)図面・資料が失われる主な原因
10年以上稼働している設備では、次のような理由で図面や資料が手元に残っていないことがよくあります。
- 装置メーカーの廃業・問い合わせ拒否:製作したメーカーが事業を終えている、または古い設備のため対応してもらえない
- 担当者の退職:設備を立ち上げた担当者が退職し、仕様を知る人がいない
- 資料の紛失:工場の移転や長年の運用の中で、図面やデータが失われた
いずれも、あとから原因そのものを解消するのは困難です。だからこそ、今ある設備から情報を取り戻すことが重要になります。
2.図面がない設備を改造する方法|リバースエンジニアリングによる図面化
(1)リバースエンジニアリングとは
リバースエンジニアリングとは、既存の設備や製品を調査・分析して、構造や仕様を明らかにする手法です。生産設備では、実機を調査して失われた図面を作成し、PLCプログラムを解析して制御仕様を復元します。
FAプロダクツのリエンジ・アップデートサービス(RUS:Reverse Engineering & Update Service)では、機械・電気・制御の3つの観点から図面がない設備の「いま」を一気通貫で可視化し、その先の改造・更新(アップデート)まで対応します。

(2)機械図面の作成
既存設備を採寸・調査し、0から機械図面を作成します。
- 組立図作成
- 部品図作成
- ユニット図作成
- 部品表(BOM)作成
- 3Dモデル作成(必要に応じて)
部品図や部品表がそろうことで、故障時の部品手配や、改造時の干渉チェックがスムーズになります。
(3)電気図面の作成
制御盤や配線を調査し、電気設計の資料を復元します。
- 電気図面作成
- I/Oリスト作成
- 制御盤調査
- 配線調査
(4)PLCプログラム解析
コメントのないPLCプログラムは、どの信号が何を意味しているのかがわからず、修正やトラブル対応が属人化しがちです。既存プログラムを解析し、制御仕様を復元します。
- コメントのないプログラムの解析
- プログラム構造の可視化
- コメント付き・ドキュメント化
- 保守しやすいプログラムへの再構築
コメントのない“ブラックボックス”のプログラムも、誰が見てもわかる健全なプログラムへ整えます。
(5)解析が難しい場合は制御更新で対応
プログラムの解析が困難な場合や、制御機器の老朽化が著しい場合は、制御の更新・再構築で対応します。
- PLC更新
- タッチパネル更新
- ロボット更新
- 制御ソフト作成(新しくプログラムを作成)
3.図面化で実現できる設備改造の4つの方向性
RUSは、図面化(リバースエンジニアリング)で終わるサービスではありません。図面や資料がそろうことで、これまで検討できなかった改造・更新の選択肢が広がり、その先の設備延命・能力増強・品種追加・新規製作(アップデート)まで一貫して対応します。

| 方向性 | こんなお客様に | 図面化で可能になること |
| 設備延命 | 生産量は少ないが、まだ使用したい | 老朽部品の特定・交換、制御機器の更新計画 |
| 能力増強 | 生産能力を上げたい | ボトルネック工程の改造・ユニット追加の検討 |
| 品種追加 | 新しい製品・ワークに対応したい | 治具・機構・プログラムの変更範囲の検討 |
| 新規製作 | 既存装置を参考に新しい装置をつくりたい | 既存図面をベースにした新規装置の設計 |
4.図面がない設備を図面化・改造するメリットと注意点
(1)図面化・改造のメリット
| メンテナンス性の向上 | 部品・配線・プログラムの構成が明確になり、日常保守や部品手配がしやすくなる |
| 復旧時間の短縮 | 故障時に原因箇所を特定しやすくなり、ライン停止時間を短縮できる |
| 改造・能力増強の検討が可能に | 設備の現状を把握できるため、改造範囲や効果を具体的に検討できる |
| 属人化の解消 | 担当者の頭の中にしかなかった情報を図面・ドキュメントとして残せる |
| 既存設備を活かした投資判断 | 新ライン導入だけでなく、延命・改造という選択肢も比較できる |
(2)図面化・改造を進める際の注意点
| 調査日程とライン稼働の調整 | 現地調査では設備を確認するため、稼働状況や停止日を踏まえて日程を調整する |
| 既存プログラムのバックアップ | 解析や改造の前に、現在のPLCプログラム・設定データを保存しておく |
| 改造の目的を明確にする | 延命・能力増強・品種追加など、何を実現したいかを事前に整理しておくと調査範囲を決めやすい |
| 機械・電気・制御を一括で見られる業者を選ぶ | 分野ごとに業者が分かれると、情報の受け渡しや調整に手間がかかる |
5.図面がない設備の改造・更新の流れ
FAプロダクツのリエンジ・アップデートサービス(RUS)は、以下の流れで進めます。

①お問い合わせ・ご相談
設備のお困りごとや、改造・更新で実現したいことをヒアリングします。
②現地調査
見積りのため、設備を調査し、対応可否を判断します。現地調査・診断は無料です。
③お見積り提出
調査内容をもとに、お見積りをご提出します。
④図面化・解析、プログラム解析
図面・部品表の作成や、PLCプログラムの解析を行います。
⑤改造・更新・増設・品種追加対応
ご要望に応じて、改造・更新・増設・品種追加まで対応します。
⑥サポート・保守
納入後のアフターサポートもお任せください。
6.図面がない設備の改造を依頼する業者の選び方
(1)図面がない設備の調査・図面化に対応しているか
図面や資料がそろっていることを前提にしている業者では、そもそも相談を受けてもらえないことがあります。現地調査から図面作成・プログラム解析まで対応できるかを確認しましょう。
(2)機械設計・電気設計・制御をワンストップで対応できるか
設備改造では、機構・電気・プログラムが密接に関わります。機械設計と電気設計、PLC・ロボット・画像処理まで一社で対応できれば、調査から改造までをスムーズに進められます。
(3)改造・延命・更新の実績があるか
図面化はあくまでスタート地点です。図面化した後の改造・延命・更新まで任せられる、自動化設備メーカーとしての実績があるかも重要なポイントです。
7.よくある質問
Q. 図面や資料がまったく残っていなくても対応できますか?
A. はい、対応可能です。既存設備を拝見させていただき、調査・解析を行ったうえで、部品図・組立図・部品表などを作成します。
Q. 装置メーカーが廃業している設備でも相談できますか?
A. はい。装置メーカーが事業を終えている、問い合わせに対応してもらえないといった設備こそ、リエンジ・アップデートサービス(RUS)の対象です。
Q. PLCプログラムの解析が難しい場合はどうなりますか?
A. 解析が困難な場合や制御機器の老朽化が著しい場合は、PLC・タッチパネル・ロボットの更新や、新しい制御ソフトの作成で対応します。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 設備の規模や調査範囲によって異なるため、現地調査のうえでお見積りをご提出します。現地調査・診断は無料です。
8.図面がない設備の改造・更新のご相談は株式会社FAプロダクツへ
私たちがお伝えしたいのは、「図面化できます」ということではありません。図面化は“ゴール”ではなく“スタート”です。
設備を延命したい、生産能力を上げたい、品種を追加したい、更新したい――。そうしたお客様の課題を解決するための第一歩として、まずは設備の状況を正しく把握することが欠かせません。
FAプロダクツは、関東最大級のロボットSIerとして、機械設計・電気設計からPLC・ロボット・画像処理まで、自動化設備をワンストップで手がけてきました。改造・延命・更新案件の豊富な経験を活かし、現地調査から図面作成、プログラム解析、その先の改造・更新・保守まで一括で対応します。
「図面がないから」と改造を諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。
















