中古ロボットの購入は、新品に比べて導入コストを大幅に抑えられ、即納性にも優れていることが大きな特徴です。自動車部品、電子・電気機器、食品搬送など、幅広い製造現場の自動化・コスト削減で活用されています。
本記事では中古ロボットの概要や新品との違い、仕組み、購入時に必ず確認すべき5つの注意点、メリット・デメリット等をロボットSIerの視点から解説します。
中古ロボットの導入や選定について、
・初期投資を抑えて省力化・自動化を実現したい
・新品ロボットの長い納期を待てず、すぐに設備を立ち上げたい
・中古ロボットが正常に動作するか、すぐに壊れないか不安がある
・購入後のエンドエフェクタ設計や既存ラインへの組み込みまで任せたい
という場合は、お気軽に株式会社FAプロダクツまでお問い合わせください。
年間200台の導入実績を持つロボットSIerとして、最適なご提案をさせていただきます。
1.中古ロボットとは?新品ロボットとの違い
(1)中古ロボットとは
中古ロボットとは、他社の生産ライン停止や設備更新に伴い手放された産業用ロボット(垂直多関節ロボット、水平多関節・SCARAロボット、パラレルリンクロボット等)を点検・整備して再流通させた機器のことです。近年、設備投資のコストダウンや短納期でのライン構築を目的に、中古ロボットを選択する企業が増加しています。しかし、適切な状態見極めを行わずに購入すると、「軸が正常に動作しない」「導入後すぐに故障してしまった」といったトラブルに直面するリスクもあります。
(2)中古ロボットと新品ロボットの違い
中古ロボットと新品ロボットの主な違いは以下の通りです。

| 比較項目 | 中古ロボット | 新品ロボット |
| 導入コスト | 新品の30〜70%程度(大幅に圧縮可能) | 定価購入(高額な初期投資が必要) |
| 納期 | 在庫があれば即納可能(数日〜数週間) | 受注生産により数ヶ月〜半年以上 |
| 状態・寿命 | 個体ごとの稼働時間やメンテ状況に依存 | 初期不良以外は新品性能を完全保証 |
| メーカー保証 | 販売店の初期保証または現状渡し | 手厚いメーカー1年保証等が付帯 |
2.中古ロボットの構造と仕組み
(1)中古ロボット購入時に確認すべき主な構成要素
中古ロボットを検討する際、特に注視すべき部位と役割は以下の通りです。
| 構成要素 | 役割と点検ポイント |
| マニピュレータ(アーム本体) | 多軸運動を行う可動部。軸のガタつき、シール破損によるグリス漏れがないか確認します。 |
| 可動部ケーブル・配線 | 制御信号・電力を送る重要部。被覆の擦れ、屈曲疲労による断線の兆候がないか確認します。 |
| ロボットコントローラ(制御盤) | 動作プログラムや演算を司る中核。内部基板の劣化、電源ユニットの健全性を確認します。 |
| ティーチングペンダント | 動作を教示・操作する端末。液晶割れ、ボタンの反応、通信ケーブルの状態を確認します。 |
本体だけでなく、付属するコントローラや操作端末の状態までセットで確認することが大切です。
(2)稼働による摩耗とオーバーホールの仕組み
機械設備は一般に「初期故障期」「偶発故障期」「摩耗故障期」というバスタブ曲線(故障率曲線)を辿ります。産業用ロボットには各メーカーが定める「オーバーホール推奨時間(例:通電・稼働20,000〜30,000時間程度)」があり、内部の減速機グリス交換、タイミングベルト交換、ベアリング点検などを定期的に実施することで偶発的な故障率を大きく下げられます。オーバーホールが適切に行われている個体は、中古であっても極めて安定して稼働し続けます。
3.中古ロボットを購入するメリットとデメリット
(1)中古ロボットのメリット
| メリット | 【説明】 |
| 設備導入コストの大幅削減 | 高価な産業用ロボットを半額以下の価格で購入できる場合もあり、投資回収期間を大幅に短縮できます。 |
| 短納期による迅速なライン立ち上げ | 在庫品であれば即座に納品可能なため、急な増産対応や既存設備の突発故障への代替機として最適です。 |
| 生産終了機種の調達が可能 | メーカーでディスコン(廃番)となった同型機種を導入することで、既存ラインの制御設計を変えずに更新できます。 |
(2)中古ロボットのデメリットと対策
| デメリット・注意点 | 【説明・対策】 |
| 故障リスク・隠れた摩耗 | 前ユーザーの使用状況によって個体差があります。通電テストや試運転動画の確認、保証付き販売店からの購入が必須です。 |
| メーカーサポートの終了懸念 | 年式が古すぎる場合、メーカー修理や保守部品供給が終了しているリスクがあります。部品調達力のあるSIerに相談しましょう。 |
4.中古ロボット購入時に注意すること5選

(1)主要部品(ケーブル・マニピュレータ)の状態
ロボットが故障する最大の原因は主要部品の劣化です。
① ケーブル:経年劣化や強い屈曲負荷で断線すると、信号が途絶えてロボットが予測不能な挙動を起こす危険があります。被覆の硬化や亀裂がないかを確認してください。
② マニピュレータ(可動部):アーム関節部のシールが劣化するとグリス漏れが発生します。グリスが抜けた状態での稼働は減速機の焼き付きや摩耗を招くため、油染みや異音がないかをチェックします。
(2)オーバーホールの実施状況
メーカー推奨のオーバーホールが過去に実施されているかどうかは、寿命を左右する決定的な要素です。オーバーホール未実施のまま規定稼働時間を超えている個体は、購入直後に高額な修理費用が発生するリスクを孕んでいます。販売ページに記載がない場合は、販売元に直接「過去の整備履歴やオーバーホールの有無」を必ず問い合わせましょう。
(3)総稼働時間の確認(概算方法)
「製造年が新しい=状態が良い」とは限りません。年式が新しくても、24時間フル稼働していた現場のロボットは内部摩耗が激しい場合があります。コントローラ内部の通電時間ログを確認するのが基本ですが、不明な場合は以下の計算式で稼働時間を概算して判断材料にしてください。
【稼働時間の概算例】
稼働期間:5年、1日の稼働時間:10時間、年間稼働日数:245日(365日−休日120日)の場合
5年 × 10時間 × 245日 = 約12,250時間

(4)信頼できる販売サイト・事業者なのか
ロボットは産業用の精密重量物です。悪質な業者を避け、安心して取引できるかを見極めるため、販売サイト上に「特定商取引法に基づく表記(運営会社名、所在地、責任者、電話番号等)」が明確に記載されているか確認してください。また、単なる転売業者ではなく、自社で動作検証設備や技術部門を持つ事業者を選ぶことがトラブル防止の鉄則です。
(5)前ユーザーの使用環境・用途
「どのような環境で使われていたか」によってロボットへの負荷は雲泥の差があります。
・過酷な環境:鋳造・溶接・粉塵環境や、重量ワークをフルスピードで搬送していた個体は摩耗が進んでいる可能性が高くなります。
・良好な環境:ショールームの展示デモ機やクリーンルームでの検査用途だった個体は、稼働時間が短く経年劣化も極めて軽微です。
5.中古ロボットの導入プロセスと注意点
(1)中古ロボットの導入プロセス

①要件定義・機種選定
ワーク重量(可搬質量)、リーチ長、必要な軸数、設置スペース、使用コントローラを明確にして候補機を絞り込みます。
②現物確認・動作テスト
通電状態での各軸の動き、エラー履歴の有無、異音・バックラッシ(ガタ)の有無を実機または動作動画で確認します。
③周辺設計(エンドエフェクタ・安全柵)
ロボット本体だけでなく、掴むためのハンド設計や、労働安全衛生規則に準拠した安全柵・センサの配置を設計します。
④設置・ティーチング・流動検証
架台への据付、PLCとの通信構築、動作ティーチングを行い、本番ラインのタクトタイムを満たすか流動検証を行います。
(2)中古ロボット導入時の注意点
| 注意点 | 【説明】 |
| ロボット単体では動かない点に留意する | ロボットを稼働させるには、ハンドの設計・製作、配線工事、安全対策、プログラミングが不可欠です。「本体を買ったが立ち上げられない」事態を防ぐため、導入サポートを行えるSIerをパートナーに選びましょう。 |
6.中古ロボットの選び方と比較ポイント
(1)調達先(販売店・SIer)比較のポイント
中古ロボットを購入する際は、以下の視点で調達先を比較してください。
- 実機の通電検査・動作検証を行っているか:現状渡しのオークションではなく、専門技術者が動作確認を済ませた個体を取り扱う販売元を選びましょう。
- ロボットSIerとしてのインテグレーション機能があるか:購入後のライン組み込みやハンド製作、ティーチングまで相談できる事業者が理想的です。
- 中古FA機器・保守部品の在庫が豊富か:将来の故障に備え、予備のサーボアンプやケーブルなどのストック調達ができるか確認します。
(2)中古FA機器専門EC「サポタス」の活用
株式会社FAプロダクツが運営する「サポタス」では、産業用ロボット本体をはじめ、PLC、インバータ、サーボモータなどの制御機器・中古部品を多数ラインナップしています。専門技術者が状態をチェックした安心の機器をリーズナブルに調達可能です。
7.中古ロボットの導入・選定に関するご相談は株式会社FAプロダクツへ
FAプロダクツは年間200台の導入実績を持つロボットシステムインテグレーターです。中古FA機器販売サイト「サポタス」の運営だけでなく、一貫生産体制により中古ロボットの調達、ハンド設計・製作、既存設備への組み込みまでワンストップで対応可能です。
「初期費用を抑えて自動化したい」「安心できる中古ロボットを探している」という場合は、ぜひお気軽にご相談ください。


















